おしゃれなバーカウンターと動画が流れ続けるモニター

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百貨店や映画館もあり、毎日多くの人で賑わう新宿歌舞伎町。そこに2014年6月、新しい形のバーがオープンした。
その名も「ニコニコBAR」、通称“ニコバー”である。このバーは、ニコニコ動画を見ながら食事やお酒を楽しめるという新しいスタイルで人気を集めているという。

店内に入ると、まず目に映るのは6つの液晶だ。最大55インチの画面にはニコニコ動画が常に映され、ボカロ曲やガンダムなどのアニメソングなどが流れている。客層は老若男女問わず幅広い。そこにいる全員が同じ動画をみんなで見ながらお酒を楽しんでいる光景はこのお店でしか見られないのでは。

さて、新宿店で4店舗目となるというニコバーだが、一体どんなきっかけで生まれたのだろうか。今回は、オーナーの中村さんにお話をうかがった。

――どうしてこのようなお店を開こうと思われたのですか?
「札幌に“ケセラセラブレイク&バー”という名前でオープンしたのが最初です。当時は、一人もお客さまが来なくて……これはヤバいと思ってイベントをやり始めたがニコニコバー誕生のきっかけですね。アニソン系のイベントやボカロ祭り、東方祭りなどのイベントをやっていくうちに、自然とニコニコバーと呼ばれるようになっていました。なので、札幌店の看板には今でもニコニコバーの文字はありません」

――勝手にニコバーと呼ばれるようになっていたのですね。当時はどんな人たちが集まっていましたか?
「イベントの影響もあって、最初はオタクな人たちが集まっていました。そういうときって、ボカロ好きはボカロ好き、東方好きは東方好き同士で寄り集まりそうな気がしませんか? でも案外、みなさんジャンルの壁を越えて仲良くなって、その場で友達になることが多かったみたいです。普段しゃべらない人と友達になれる特徴は、今でも変わりませんね」

――札幌、大阪、名古屋、東京と店舗を展開していく中で何か変化はありましたか?
「札幌店ではオタクな男性客が中心でした。それから2年ほど経った頃に大阪店をオープンしました。その時はちょうど歌い手ブームが来ていましたので、若い女性の方にも来ていただけるようになりましたね。時代の流れやブームで、ニコニコバーの客層も変わってきている気がします。東京店での客層は現在のところ、その中間のような感じです。老若男女問わず、オタクな人もオタクじゃない人も来店していただいています」

――どのようなイベントが開催されているのでしょうか?
「週末によく開催されるのは、ネット上で活躍されている有名人やユーザーさんのライブやトークイベントです。平日にもオフ会やカラオケイベントが催されていますよ。少し変わったものだと、大食いイベントもありました。“2キロのカレーを20分で食べたら無料”という内容で、チャレンジ精神旺盛な女の子が3人も参加してくれたのですが、やっぱり無理でした。ちなみに常連客の力士の方もいたのですが、彼は15分で完食でした(笑)」

――料理などのこだわりを教えてください!
「店名にバーとあるので、あまり料理がなさそうと思われがちですが……どの店舗でもしっかりと料理にも力を入れています! オススメは、その日仕入れた中で一番いいお肉を使った“日替わりステーキ”ですね。ちょっと贅沢したいときや、特別な日にピッタリだと思いますね。おつまみやご飯物もご用意しています。ぜひお腹を空かせてご来店ください!」

取り扱うカクテルは100種類以上、更に料理は380円からとリーズナブル。暑い中イベントに参加した筆者も鶏ササミのサラダをいただいてみたが、大根おろしとポン酢のさっぱりした味わいが口の中に広がり爽やかな気分になった。

オタクである方はもちろん、そうでない方も歌舞伎町に行った際には気軽に足を運んでみてはいかがだろうか。
(ろっくまん)