ミールやスナックのアレルギー対応がさらに進んだスイス インターナショナル エアラインズ(SWISS)

写真拡大 (全3枚)

最近はファミレスなどでもアレルギー対応メニューを出す店が増えてきたが、いよいよ空の上にも広まり始めた。

先ごろ、スイス インターナショナル エアラインズ(以下、「SWISS」)は、世界初となる「アレルギー・フレンドリー」な航空会社に認定されたことを発表。いったい、どんなサービスをなのだろうか?

同社では、5月上旬から、ヨーロッパのアレルギー研究機関であるECARFと提携し、アレルギーをもつ乗客を対象にした新サービスをスタート。具体的には、ラクトース(乳糖)やグルテン不耐症への対応として、人気のSWISSチョコレートバーのラクトース不使用版や、ラクトースを使っていないコーヒークリームといった代替食や飲料を用意。標準サービスとしてSWISSの全フライトで提供している。さらに、フライトの長さや症状に合わせて、キャンディーバー、ヨーグルト、ケーキなどの注文もOK! 代替の乳製品やパン製品はスイス国内の全SWISSラウンジでも味わえるそうだ。

これまでにもアレルギー対応の機内食などは、同社を含むほとんどの航空会社で提供されてきたし、ピーナッツアレルギー対応として機内でピーナッツを意識的に提供しないところもある。すでに空の上でもある程度のアレルギー対策はなされてきたわけだが、今回はさらにその範囲が広がった格好だ。

もちろん、アレルギー対応は食事だけじゃない。なんと、キャビンもアレルギー・フレンドリーなのだ。ファーストおよびビジネスクラスでは、羽毛枕のかわりに合成繊維を使った枕を提供。鼻やのどを刺激する可能性のある装飾花や芳香剤を使うことをやめ、機内のトイレには肌に優しい石けんを導入するなど、細やかな心配りがうれしい!

SWISSのプロダクト&サービス責任者であるフランク・マイアーさんいわく、
「空の旅において、アレルギーに配慮した環境をお求めになるお客様の需要は、過去数年で急激に拡大しています。当社はこのようなご要望に完璧に応え、すべてのお客様にとって空の旅を可能な限り快適なものとするため、ECARFと協力しています」
ECARF の認証にはさまざまな項目の基準をパスする必要があるが、今回それらの項目すべての基準を満たしたため、「アレルギー・フレンドリー」な航空会社として世界で初めて認定されたかたちだ。

ちなみに、SWISSはあくまで「アレルギー・フレンドリー」な航空会社であって、「アレルギー・フリー」な航空会社ではない点には注意を! アレルギーのある人は、搭乗後、必ずフライト・アテンダントにその旨を伝えてほしいとのこと。また、アレルギー対応の機内食を希望する場合は、搭乗便出発の24時間前に連絡する必要がある。

一歩進んだアレルギー対応をいち早くスタートさせたSWISS。空の旅が多くの人にとってますます快適になりそうだ。
(古屋江美子)