免疫力アップや疲労回復に役立つとされるビタミンC、効果的にとるには?
紫外線対策から風邪予防、美肌ケアまでさまざまなシーンで注目されるビタミンC。働く女性に聞いたところ、全体の54%が「意識的にビタミンC」をとっていることがわかりました。どんなふうにとると、より効果的なのでしょうか。読者アンケートの結果をもとに、女子栄養大学短期大学部の松田早苗先生に聞きました。
Q.ビタミンCをどんな方法でとっていますか?(複数回答)
1位 フルーツ(43%)
2位 サプリメント(36%)
3位 ビタミンCが豊富な食材(11%) ※フルーツ以外
4位 ビタミンC配合ドリンク(8%)
5位 その他(2%)
■一番人気のビタミン摂取方法は「フルーツ」
・「果物のほうがおいしく摂取できるから」(30歳/主婦)
・「柑橘系を食べるようにしています」(30歳/主婦)
・「グレープフルーツを半分に切ってスプーンを突っ込んで食べるのが好き」(30歳/電機)
ビタミンCをとる方法としてもっとも人気が高かったフルーツ。効率的にビタミンCをとるにはどうすればいいのでしょうか。松田先生はこうアドバイスします。
「厚生労働省は、1日に摂取すべきエネルギー量や栄養素量を示した『日本人の食事摂取基準2010年版』で、ビタミンCを100mg摂取することを推奨しています。果物は、生で簡単に食べることができるので、ビタミンCの供給源として、ぜひ積極的にとりいれたいですね。でも、食べ過ぎると血中の中性脂肪値の上昇を招くため、果物は1日200gを目安に食べましょう。また、果物のほかに野菜350g、芋類100gを食べることで1日に必要なビタミンCを摂取できます」(松田先生)
1日350gの野菜をとるためには、1食に生野菜で両手山盛り1杯、または加熱野菜で片手山盛り1杯とるよう、心がけるといいそう。また、芋類100gは「じゃが芋中1個」が目安です。
「5月から7月にかけては『新じゃが』が旬を迎えます。旬の食べ物は、栄養価だけでなく味も良く、さらに価格も安いのでおすすめです。芋類に含まれるビタミンCは、デンプンが含まれているため、水に溶けにくく、熱にも強いのが特徴です。一方、果物や野菜に含まれるビタミンCは、水に溶けやすく、熱にも弱く、また、保存の過程においてもビタミンCが減少してしまいます。購入した果物や野菜は早めに食べきるようにして、調理も手早くすることを心がけましょう」(松田先生)
■サプリメントやビタミンC飲料も人気。摂取で気をつけることは?・「値段も手頃でサプリメントなら毎日飲み続けられる」(28歳/アパレル・繊維)
・「ビタミンを食事から取るのは大変そう」(25歳/医療・福祉)
・「普段の食生活だとビタミンCの摂取量にばらつきがあるため、サプリメントで最低量を確保するようにしている」(30歳/小売)
フルーツに次いで、人気が高かったのがサプリメントです。手軽にとれて便利な半面、頼りすぎるのは禁物のようです。
「ビタミンCは、1日に400mg以上摂取すると体内が飽和状態になり、尿中に排泄されてしまいます。果物や芋類、野菜をバランスよく食べることで、ビタミンC以外の栄養素も摂取することができます。食べ物で栄養素を摂取することを第一に考え、サプリメントやビタミンC飲料は、補助的なものとして考えるようにしましょう」(松田先生)
どれかひとつの食品やアイテムで摂取しようとするのではなく、旬の野菜や果物を1品加えるなど毎日の食生活をパワーアップさせていきたいですね。
(松澤夏織+ガールズ健康ラボ)