「“カワイイ路線”や“女子”から卒業しようという動きについて、どう思いますか?」

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かつて、レンタルビデオ屋の店長を務めていたことがあります。ということはアルバイト募集をかける際、私が面接も対応するわけで。
もちろん、その受け答えで応募者の人となりを見極めるのがわれわれの仕事。しかし、余裕が出てくると他の要素も考えるようになります。例えば「接客業なのだから、かわいい子が必要なのではないか?」とか。正直、容姿を重視してメンバーに加わっていただいたこともありました。店舗の印象を上げてもらいたいというか。
実はこれ、他の効果も期待できます。まず、スタッフのモチベーションに影響する。働きに来るのが楽しみな職場になる。しかし! ただかわいかったり格好良かったりだけじゃ、難しい。やはり、戦力になってもらわないと。……なんてことを、当時は考えていたっけなぁ。

いや、ちょっと思い出してしまいました。なぜなら、こんなデータを発見したから。ユニリーバ・ジャパンは20〜50代の女性800人を対象に「現代の女性が憧れる、女性像」意識調査を実施しています。

そういえば最近、女性誌では「“女子”から卒業して大人の女性になろう」という特集が増えていますよね。アラフォー女性タレントが“カワイイ路線”卒業を宣言したことも記憶に新しい。
そんな背景もあってか「“カワイイ路線”や“女子”から卒業しようという動きについて、どう思いますか?」と、質問しています。結果、64.9%の女性が「共感する」と回答。
続けて「あなたは、あなたのことを“カワイイ女性”という一言で評価されたとき、どのように感じますか?」と質問。こちらでは、65.1%の女性が「物足りなく感じる」と回答しています。
海外でも日本発の価値観としてポピュラーになった“カワイイ”ですが、日本の女性はそろそろ“カワイイ”から卒業し、次のステージへ進みたいと思っているみたいです。

次の質問は、単刀直入に「“カワイイだけの女性”では魅力がないと思いますか?」。結果、81.3%の女性が「そう思う」と回答。
う〜ん、やはり“カワイイだけ”じゃダメなのか? そこで「女性として、“カワイイ”だけで魅力的なのは、何歳までだと思いますか?」とクエスチョン。この質問への全回答を集計し、平均値を算出しました。結果、導き出されたのは「25.8歳」。まぁ、妥当な数字なんでしょうかね……?

ここからは「憧れの女性像」についての調査結果を見ていきます。
「これからの女性は、“カワイイ”だけでなく“芯の強さ”も必要だと思いますか?」。……そりゃ、そうでしょう。「そう思う」回答が97.1%という圧倒的票数を獲得しています。
次の質問においても、同様の傾向が見られました。「“女子力があってカワイイ女性”と“強くてカッコイイ女性”、どちらになりたいと思いますか?」という設問では、65.1%が「“カワイイ女性”よりも”カッコイイ女性“になりたい」と望んでいることが判明。現代女性は見た目の“かわいさ”だけでなく、内面的な芯の強さを求めているようです。
しかし、ただそれだけじゃない。「その人の芯の強さは、外面的な美しさに表れると思いますか?」という設問では、89.0%の女性が「そう思う」と回答。“芯の強さ”は内面だけに留まらず、“外見的な美しさ” にも表れるのでしょうか。

では、少し着眼点を変えた質問にはどう答えているのでしょうか。
「今の日本女性の美点だと思うものは何ですか?」と問いかけます。結果、上から「芯の強さ」(52.4%)、「優しい」(40.8%)、「若く見える」(30.4%)、「おしゃれ」(29.9%)、「知的」(26.1%)というトップ5に。
世界的には「かわいい」、「優しい」、「若く見える」、「おしゃれ」などと評価される日本女性ですが、自らが感じる日本女性の美点はそれらを上回り「芯の強さ」であるようです。

最後に具体的にどんな女性に憧れるのか見てみましょう。「歴史上の女性で、憧れの女性を1人お教えください」。
まず“日本人女性篇”では、「強くかっこよく生きた人だと思うから」といった声を集め、「新島八重(山本八重)」が1位を獲得! 2位には「自分の意思をもって人生を送り、かつ夫の出世も助けて夫を最高の地位につけたので」といった理由で「北条政子」が、3位には「男尊女卑の世の中で意思を強く持ち生きていたから」といった支持を集めて「篤姫」がランクインしております。
一方の“外国人女性篇”は、「弱いものを愛し、助ける強さがあって、まるで神様のようだから」といった理由で「マザー・テレサ」が1位を獲得。2位には「自ら世の中を変えていこうという強い意志と行動力があったから」という理由で「ジャンヌ・ダルク」がランクイン。「裕福な生活を捨てて自分の進みたい道を進んだから」といった支持を集めた「ナイチンゲール」は3位でした。

かつて『可愛いだけじゃダメかしら』という映画がありましたが、現代女性は自分でそれを我慢できない。なりたい自分になるためのキーワードは、「芯の強さ」のようです。
(寺西ジャジューカ)