成果を出す人の思考、成果が出る組織の思考とは。

何でも具体的、個別的に考えようとする人がいます。指示を受けるときも、人に指示をする際も具体的じゃないとダメ。何をすべきか詳しく共有できないようでは、うまくいかないのであって、具体的にするのが何より大切だと思っています。一面ではその通りなのですが、欠点は、一般論や原理原則を軽視していること。こういう場合はこうする、こう来たらこう受ける、というのはよく知っているのですが、イレギュラーなケースに弱くなりがち。多様なケースや要望と立場・環境の変化に対応しながら成果を上げ続けるには、汎用性の高いコツや勘所を導く抽象的な思考も必要です。

何でもデータや結果に基づいて考えようとする人がいます。他部署や他社の事例、一般の調査結果など出来る限りの情報を集め、それらのいずれとも矛盾しないものを正解とし、実行するのが良いと思っています。もちろんそれも立派な考え方ですが、ブレークスルーが起こりにくく、安全重視の凡庸な結論になりがちなのが問題です。一つの事象から導かれた仮説や、一人の顧客の声から想像できるニーズをもとに、「であれば、正解は・・・なのではないか」と展開する思考が出来なければ、差別化されたユニークな発想は生まれません。前例の繰り返しや個別対応に忙殺される状況から脱して、大きな成果を出すためには、帰納的に思考するだけではなく、演繹的な思考も必要なのです。

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