中国の掲示板サイト虎撲の掲示板に「日本と台湾が釣魚島(尖閣諸島の中国側呼称)周辺での漁業権に関する協定に正式に調印した」というスレッドが立てられた。スレ主が紹介した同ニュースに対して、中国人ネットユーザーからさまざまな意見が寄せられた。

 日本と台湾の交流窓口機関は10日午後、尖閣諸島周辺での漁業権に関する協定に調印した。日本の排他的経済水域の一部海域で台湾漁船の操業を認めることなどが盛り込まれ、尖閣諸島を巡る問題で、中国と台湾の連携を防ぐ狙いがあるという。

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 日本と台湾の協定に対して、中国人ネットユーザーからは「主権を主張しておきながら、魚を獲るのに他国の許可を得る。この協定によって台湾のメンツは丸つぶれだな」、「日本のお許しを得るとは、馬英九は売国奴だな」など、協定調印を非難するコメントが多く寄せられた。

 また、「いずれにしてもわが共産党は署名しない。暇な時に釣魚島へ遊びに行くさ。でも安心しな、台湾漁民を水鉄砲で撃つことはしないから」と、中国や日本のこれまでの対応を皮肉ったコメントも寄せられた。

 今回の協定には、中国と台湾が尖閣諸島を巡って連携することを防ぐ狙いがあるとされることについて、「わが国は台湾を自国領として見ているが、台湾はこの機会にひと儲けしようというだけ」という意見もあった。

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 日本は「島上陸などの挑発行為は行わない」ことを前提に、台湾の漁船が尖閣諸島から12カイリ内の海域で操業することを認めた。台湾は尖閣諸島を「中華民国領」としているが、東シナ海について「争いを据え置き、共同開発する」との主張を続けていることから、領土問題には言及せず、漁業協定を結ぶという。

 台湾は今回の漁業協定を通じて、中台共通の「主権」よりも漁業という「実利」を優先したと言えるだろう。(編集担当:畠山栄)