/バブル当時の人気企業がダメになるのは、自分を売ることしか考えない口先連中が、現実市場を無視した強弁の社内洗脳で昇進したから。A級戦犯の役員たちこそ店頭客足の最前線で会社のキャリアデザインを考え直すべきではないのか。/

 ソニー、セゾン、サンケイ、サントリー、小学館・集英社。学生の間で4Sとか、5Sとか言われていた、80年代バブルのころの人気就職先。東大からも、経営企画をやるんだ、なんて言って、こういう浮ついた会社に入ったやつらは多かった。だけど、いま、大変。電通っぽいイメージ先行のハッタリばかりで、結局、バブル以降の新企画なんか何も出せなかった。なのに、この場に及んでもまだ、リストラのことですら「キャリアデザイン」なんて言うんだと。五十を過ぎて、先のキャリアも無かろうにねぇ。

 80年代、経営戦略やマーケティングがバカみたいにはやった。こうすれば勝てる、これが当たる、大ヒットの仕掛け人、等々、当時の雑誌を見ると、インチキくさい連中が自信たっぷりに語りまくっている。経営者たちも、ソファーにふんぞり返って大言壮語。社内でも、サンプル商品だかなんだか、ろくに使い物にもならない未発売のものをどこかから入手してきて見せびらかしているやつらがいっぱいいた。そいつらが、ガキのくせに、「異業種交流会」とか言って、一流ホテルに大会場を借りて21世紀の経営者ゴッコ。とはいえ、これまた実体は、男探し女漁りの場にすぎず、痴情のもつれで、みんな空中分解。

 正直なところ、そりゃああいうホイチョイなやつらがリストラ対象になるのは、ある意味で当たり前だとも思う。四半世紀もの間、戦後レガシーの上にあぐらをかき、見かけ倒しの一発狙いばかりやって、社会に潜行する根深い問題に目を向ける本当の意味でのマーケティングなんかやってこなかったのだから。

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