全米で激突するMicrosoft Store対Apple Store、その行方は?

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ブラックフライデーといえば感謝祭明け初日の11月第4金曜日の米国における最大のショッピング祭りの日だが、ここでエレクトロニクス分野の雄2社の最初の週末セールの経過報告が話題になっている。

Apple Storeはいわずもがなだが、Microsoftもまた今年はWindows 8とSurface RT発売に合わせて臨時ストアを全米に一挙開設しており、その明暗が明らかになりつつある。

同件は米ForbesでPhilip Elmer-Dewitt氏が報じている。

元のデータはPiper JaffrayのアナリストGene Munster氏が提供したもので、米ミネソタ州ミネアポリス近郊にある全米最大級のショッピングモール「Mall of America」で8時間の張り込み調査を行っての結果をまとめている。

同モールに限らず、全米のMicrosoft Storeにその傾向がみられるが、同じエリアにあるApple Storeとの隣接地、あるいは向かいにあたる場所にMicrosoft Storeが出店されていることが多い。

同モールでの2つのストアでの客の入りや買い物傾向を分析したのが今回のデータとなる。

それによれば、Microsoft Storeの客の入りはApple Storeのそれに比べて47%ほど低く、Apple Storeでは客は1時間あたり17.2品目を購入していたのに対し、Microsoft Storeはわずか3.5品目だったという。

しかもこのうちの2つはXboxのゲームであり、ハードウェアではない。

しかもApple Storeでは1時間あたりiPadが平均11台売れていたのに対し、Microsoft StoreではPiper Jaffrayスタッフが2時間監視していた間、1台もSurfaceが売れた形跡がなかったという。

ただしMunster氏はApple Storeでの客の入りは2012年に増えているものの(同氏は過去5年間同じ調査を繰り返している)、MacとiPadの販売自体は減速している可能性があると指摘する。

これは、在庫状態の問題に起因するという。

Apple Storeの客の入りは年率31%ほど伸びており、これはiPad miniが登場したことに起因するようだ。

最大の人気商品はiPad miniの16GBモデルだが、Macの売れ行きはiPadの登場や新製品未発売もあり、やや減速がみられるという。

非常に限られたサンプルではあるが、米国のブラックフライデーの一風景を知ることができるデータだといえる。

このブラックフライデーにおけるAppleの業績については、Gene Munster氏以外にも複数のアナリストが予測を行っている。

同件もForbesが報じており、例えばWedge PartnersのBrian Blair氏は、在庫状況の改善したiPhone 5は全店舗で売り切れが出ており、中でもiPadが今ホリデーシーズンの主役になっているという。

iPad miniの人気は高く、特に329ドルの値札のついたWi-Fi 16GBモデルのインパクトが大きいようだ。

Barclays CapitalのBen Reitzes氏も同様に、iPhone 5とiPad miniが今回の主役だと指摘している。

iPhoneが引き続き主力であるとともに、iPad miniの登場がiPad全体の需要喚起につながっているようだ。

一方でストア展開では後塵を拝しているMicrosoftも、米国外でのプレゼンスを強化している。

Financial Timesによれば、Microsoftは欧州でのストア展開を計画しているという。

同社リテールストアとオンラインで販売されているMicrosoftのSurfaceだが、リテールストアが大規模展開されている米国に対し、欧州では同種の専門ストアがなく、もっぱらオンラインでの販売に頼っている。

出荷が当初より1週間以上遅れるというトラブルこそあったものの、唯一の窓口であるオンラインを通しての販売が現在も欧州で続いている。

FTによれば、Microsoftは欧州への自社リテールストアの本格展開を目指しており、その1号店舗として英国への出店を計画しているようだ。

現在、米国ではどこを歩いても街中Surfaceの広告で埋まっているというほどMicrosoftの大規模キャンペーンが展開されているが、その費用対効果があったかは今後の売上発表で実際に示されることになる。

だがその成果はWindows 8というよりも、どちらかといえばSurfaceというデバイスそのものの評価につながることになるだろう。