Jリーグの優勝を決めてサンフレッチェがクラブ・ワールドカップに出場することになったが、南米チャンピオンのコリンチャンスが日本チームに警戒心を抱いている。サンフレッチェはニュージーランドのオークランドに勝ち、エジプトのアル・アハリに勝てれば、コリンチャンスと対戦できる。更に、勝てば決勝への進出となるが。
 
 12月1日、最終節でJ1残留の厳しい試合が展開されるが、ブラジルも全国選手権(Campeonato Brasileiro)の最終節を12月2に迎える。3試合を残してフルミネンセが早々と優勝を決めている。アベウ・ブラーガ監督が、経営が安定したクラブを2年振り4回目のタイトルを獲得していて評価が高い。ルシェンブルゴ監督のグレミオ、ホナウジーニョ・ガウーショが活躍するアトレチコ・ミネイロ、サンパウロがリーグ戦の成績で、既に、来年のコパ・リべルタドーレス出場権を勝ち取っている。コリンチャンスは、現リべルタドーレスのチャンピオンとして出場できるが、名門、パルメイラスはセリアB降格が決定しており、サポーターであるパルメイレンセ失望をかっている。
 
 ブラジル選手権にサントスFCとともに最多の8回の優勝をしているパルメイラスであるが、10年振りに2度目のセリアB降格も、コパ・ド・ブラジルのタイトルを獲っておりリべルタドーレスとセリアA復帰の来シーズンに賭けることとなった。
 
 コリンチャンスは、クラブ・ワールドカップに特別な力入れをしている。監督のチッチは、勝ち取れていないタイトルがクラブ・ワールドカップのみ。代表監督をやらせたいと思う人々も多い。10月頃から、ニュージーランド、日本を含めて、スカウティングスタッフを海外に送っている。サンフレッチェ広島を第一にスカウティングを続けてきたという。決勝でチェルシーと戦うためには、準決勝で負けるわけにはいかないからだ。サンフレッチェ広島が、順調に準決勝に進出してくると想定し警戒しているとのことである。
 
 経済が好況になりつつあるブラジルにあって、最大数のソシオを抱えると言われるコリンチャンスは、記念Tシャツなどのプロモーションも順調。そして、数十万円以上もかかる日本への応援ツアーに1,000人とも2,000人ともいわれるコリンチアーノが来日すると予想されている。彼らは、前身の2,000年のブラジルでの第一回大会以来の二度目の世界一を狙っているし願っている。サンフレッチェには負けられないと、考えているようだ。
 
 チェルシーにはブラジル代表のセンターバック、ダヴッド・ルイス、ボランチのハミレス、中盤の若きプレーメーカーのオスカールがいて、ブラジルのコリンチャンスとしての闘争心は高まる。そして、Jリーグで活躍したFWエーメルソン・シェイク(元川崎、札幌、浦和)、MFのダニーロ(元鹿島)、左SBのファビオ・サントス(元鹿島)たちも、第二の故郷に凱旋する。
 
 連日、ブラジル人とスカイプで話しているが、今回のクラブ・ワールドカップも興味は尽きない。