提供:週刊実話

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 −−実際にデモに参加してみてどうですか。

 藤波 官邸前のデモは、大飯原発の再稼動が決まってから急に何十万人規模にまで集まりだしたんです。春にスタートしたばかりのときは数百人という感じでした。欲を言えば、最初からもう少し人が集まっていれば、政府の判断は違っていたのかなとも思います。

 三宅 野田総理が強引に事を進めていたとはいえ、あれだけの反対者がいて、多くの国会議員が署名していましたし、最後の一線で踏みとどまってくれるのではという期待もありました。しかし、あの再稼動の判断はそれが崩れた瞬間でした。

 −−高校生(15歳)の目から見て“大人の社会”“政治の世界”はどう見える?

 藤波 私は脱原発の声を上げてから1年ちょっとですが、頼りないなぁ、何でそうなるのかなぁと思ったりします(笑)。
 三宅さんにお聞きしたいのですが、野田総理がしゃべっているのをテレビで見ていると、自分の言葉でしゃべっているようには見えないんです。自分の仲間である民主党の人たちの意見を聞かず、自民党と公明党の人たちの意見ばかり聞くというのは、家族の話を聞かずに隣の人の話を聞いているようで、それはすごく違和感があります。どうして総理になると変わってしまうんでしょうか。

 三宅 強いて言えば、民主党の中でも、自分の仲間の言うことは聞くんです。この半年で特に感じるのは、野田総理は自分に対して強く反対する意見や異論に対してまったく耳を傾けなくなったということです。それは民主党内においてもそうです。以前はもうちょっと聞いてくれていたような感じがしました。もしかして、元から聞いたふりをしていただけかもしれませんが(笑)。

 −−大飯原発は関西電力ですが、地元の関西でのデモは盛り上がっていますか?

 藤波 私が参加するのは主に官邸前のデモですが、関西でもいくつか行われていて、少しずつ盛り上がっているみたいです。ただ、福島から離れているせいか、東京よりもイマイチ関心が薄いですね。大飯原発のある福井といえば関西のすぐ近くですが、あまり危機感が感じられません。
『すぐに全廃してほしい』

 三宅 放射能は目に見えないので、遠いところはどうしてもそうなってしまうのかもしれませんね。私の地元の群馬県も放射線量の高い地域はあるのですが、人によって感じ方が違いますね。だから、「脱原発って票かせぎじゃないの」と言われることもあります。
 国会議員も感じ方はさまざまです。脱原発に関する会や勉強会がいくつかありますが、当初から危機感を持って本気で取り組んでいる人もいますし、再稼動反対の署名をしていないのに、そういう会を催して講師を呼んで勉強会を開いたりして脱原発を名乗り出したりしている人も実際にいます。でも今は、そういう人たちをあまり追い詰めないで、原発推進派にしないよう引き留めておくのが大切と思います。