「教育委員会は、自分たちのことしか考えてないということがよくわかった!」
 「いじめられる子を持つ、親の立場になってみい!」
 7月13日に開かれた大津市議会「教育厚生常任委員会」の緊急報告を傍聴する父兄らからは、そんな怒りの声が飛び出した。
 学校と市教委、さらには警察の後手ぶりが全国の注目を集めた滋賀県大津市立中学2年の少年(当時13)転落死事件は、対立が激化するばかりで、一向に終息のメドが立たない状況が続いている。

 もともと、悲劇が起きたのは昨年10月11日のことだった。
 「大津市尾花川にあるマンション敷地内で、午前8時過ぎに少年が仰向けの状態で死亡しているのが管理人に発見された。最上階の高さ約1メートルの手擦りには乗り越えたような跡があり、警察は飛び降り自殺と断定したのです。その後の市教委の調査で、少年が事故の2カ月あたり前から、複数の同級生に陰湿な嫌がらせを受けていたことが判明したことから騒ぎになったのです」(社会部記者)

 ここまで事が大きくなった原因は、なんといっても学校、教育委員会の“まるで他人事”といわんばかりの対応の悪さにあった。
 「自殺を受けて学校が全校生徒にアンケートを行ったのは2回。その回答には『自殺の練習といって首を絞めていた』『葬式ごっこ』などという異様な記載が並んでいた。にもかかわらず、市教委の公表が一部のみだったことは、首を傾げざるを得ません」(地元紙記者)

 実際、このアンケートの回答内容には、目を覆いたくなるような言葉が並ぶ。
 〈コンビニで万引きをやらされていた〉
 〈銀行の口座番号を教えさせ、お金をとっていた〉
 〈手足をロープで縛って、階段を上がらされていた〉
 〈カエルを食べさせられそうになっていた〉
 〈トイレでいじめられていた〉
 〈体中をはちまきで拘束されていた〉等々。