技術革新による機械化やコンピュータの導入は、生産性の向上や仕事の効率化をもたらしたが、それによって従業員の労働時間そのものが短縮されたという話はあまりきかない。統計によれば、日本人の労働時間はヨーロッパ諸国と比べると2〜3割も長いという。

【チームで長時間残業の習慣を改善した課長】
株式会社アシスト 支社統括事業部 中日本支社技術統括 高橋 志太
― 1999年新卒入社。当時の幕張オフィスでOracleのサポートを5年担当し、虎ノ門に異動後、Oracleフィールド技術を2年経験。2006年に名古屋へ転勤し、現在はJP1フィールド技術を担当。

以前は、残業せざるを得ないのは、会社に対する忠誠心が重視されるとか、上司より先に帰りにくいといった理由を挙げる人も少なくなかったが、最近では企業側が、タイムマネジメントを重要課題として認識し、限られた時間でアウトプットを最大化する「効率的な働き方」を模索しているようだ。

コンピュータ・ソフトウェア製品の販売サポートを行うアシストでは、仕事を費やした時間ではなく、結果(実績)で評価するという基本的な考え方が社員に浸透している。働き方は社員個々の自己管理に任されており、残業は日常的なことだ。

「1 の仕事を17時までに仕上げる人もいれば、23時までかかって仕上げる人もいます。結果が1になればいいのですから。評価としては前者が良いのは当然ですが、私はセンスもない凡人なので、完全に後者、23時に帰る派で、家に帰ると次の日になっていることが普通という生活でした」

しかしそんな働き方を経て、その過程での試行錯誤や取り組みがあったからこそ今日の自分につながっている、とも高橋は思っている。そんな高橋は2010年に課長になった時、自分はさておいて、課のメンバーはどのように考えているのだろうと思ったのが始まりだったという。


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