企業戦略と調達・購買戦略は同期して語られることはあまり多くありません。多くの企業で経営者から見ると調達・購買部は便利なコスト削減請負人程度の位置づけなのかもしれません。

企業戦略と調達・購買戦略は同期して語られることはあまり多くありません。多くの企業で経営者から見ると調達・購買部は便利なコスト削減請負人程度の位置づけなのかもしれません。しかし、調達・購買の機能そのものや戦略は企業戦略や経営者の期待、時代背景等によって、もっとダイナミックに変化する(させる)べきものです。一部の企業では調達・購買戦略がより重要な機能戦略として位置づけられてきています。
今回は富士通の事例を取り上げたいと思います。

ちょうど25年前位でしょうか?私が自動車メーカーの購買にいたころNHKのドキュメンタリで富士通の購買を取り上げた番組が放送されました。
正直タイトルは覚えていませんが、その当時で購買部門やバイヤーを主役にした番組が放送されたこと自体非常に珍しく、自分の購買という仕事もこういうふうに取り上げられる機会があるんだ、と感じたことや主役の購買課長の格好よさが印象的であったことを今でも思い出します。
番組の内容は富士通のパソコンビジネスの購買課長を主人公としたもので、その当時ホストコンピューターから汎用機やパソコンビジネスにコア事業を移管していた同社の購買戦略の変革を取り上げたものでした。その後その方が現在の富士通セミコンダクター株式会社の岡田社長であることを今から数年前に改めて知り合いから聞いた時には、やはり偉くなられたのだな、と思わず納得してしまったことを思い出します。

その番組でも取り上げられていましたが、ホストコンピューターとパソコンのビジネスは全く事業モデルが異なります。
最大の違いは受注(設計)生産方式からの脱却です。

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