何かおかしくないか?昨今の日本の調達・購買(その1)/野町 直弘
私は競り下げ(所謂リバースオークション)自体を否定するつもりはありません。しかし競り下げ調達をやったから調達価格が下がる、コスト削減につながる、というのは全くあり得ない話です。
前回まで三回に亘って企業戦略と調達・購買戦略について書いてきました。
そのきっかけにもなったのは私の問題意識からです。
私の手元に2つの記事があります。一つは日経新聞の『「競り下げ」調達拡大、高額事業も対象に、政府、歳出削減アピール。』という記事です。
「競り下げ」調達拡大の記事は、『競り下げ調達を試験的に少額案件で政府が行ってきたが効果がありそうなので、高額案件にも活用したい」という内容』です。私は競り下げ(所謂リバースオークション)自体を否定するつもりはありません。しかし競り下げ調達をやったから調達価格が下がる、コスト削減につながる、というのは全くあり得ない話です。記事を読むと開始価格から比べて平均18%強のコスト削減ができた、とありますが、開始価格と比べること自体ナンセンスです。開始価格は入札の上限値ですので、そもそも開始価格以上の価格で落札することは一般的なルールではありえないからです。
もし比較するのであれば、通常シールド入札(一回限りの封止入札)や入札以外の方法(例えばフェースツーフェースでの価格交渉)での決定価格との比較をしなければなりません。
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前回まで三回に亘って企業戦略と調達・購買戦略について書いてきました。
そのきっかけにもなったのは私の問題意識からです。
私の手元に2つの記事があります。一つは日経新聞の『「競り下げ」調達拡大、高額事業も対象に、政府、歳出削減アピール。』という記事です。
もし比較するのであれば、通常シールド入札(一回限りの封止入札)や入札以外の方法(例えばフェースツーフェースでの価格交渉)での決定価格との比較をしなければなりません。
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