紳士服店でおしぼりを配る意図/金森 努
「冷たいおしぼりをどうぞ」は、飲食店ではアタリマエの風景。しかし、場所は紳士服量販店「はるやま」系の2プライススーツ店「P.S.F.A」の店頭である。(6月6日日経MJ記事より)
ひとことで言えば、これは「アタマのいい販促」だといえる。
「P.S.F.A」は来店客に買い物前にまず、冷たいおしぼりを提供するという。店ではおしぼり専用の冷蔵庫を店内に設置して、節電・スーパークールビズ対応する施策だという。考えてみれば来店客全てに配るということは、その分のコストが上昇する。購入してくれた客に「お礼」として提供するという手もあるはずだ。だが、あえて全ての来店客に提供する。
おしぼりは習慣的に差し出されると受け取ってしまう。しかし、サービスを提供されると、何らか「買わなくちゃ」という負い目が心理的に生じる。「返報性の原理」という。<通常、人は他人から何らかの施しをしてもらうと、お返しをしなければならないという感情を抱くが、こうした心理をいう。この「返報性の原理」を利用し、小さな貸しで大きな見返りを得る商業上の手法が広く利用されている。至近な例では、試食がある。(Wikipediaより)>つまり、顧客心理を巧みに掴んだ施策なのである。
さらに、店側としては、汗まみれで商品を試着されてしまうという問題を解決できる。おしぼり一本で二重にオイシイサービスなのである。実にアタマのいいサービスなのだ。
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ひとことで言えば、これは「アタマのいい販促」だといえる。
「P.S.F.A」は来店客に買い物前にまず、冷たいおしぼりを提供するという。店ではおしぼり専用の冷蔵庫を店内に設置して、節電・スーパークールビズ対応する施策だという。考えてみれば来店客全てに配るということは、その分のコストが上昇する。購入してくれた客に「お礼」として提供するという手もあるはずだ。だが、あえて全ての来店客に提供する。
さらに、店側としては、汗まみれで商品を試着されてしまうという問題を解決できる。おしぼり一本で二重にオイシイサービスなのである。実にアタマのいいサービスなのだ。
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