企業は人の集合体。米ホール・フーズ・マーケットが実践する「チーム」単位のマネジメントが目指すものとは?


「チームワーク」は使い古された言葉だ。面接などでも、「あなたはチームプレイヤーですか」という質問が必ずといってよいほど投げかけられる。だがその意味を本当に理解している人は少ないだろう。

「三人寄れば文殊の知恵」ということわざがある。これは、ブレイン・パワーやナレッジという角度から、チームの意義を述べたものであるとも解釈できる。一人で考えるよりは、みんなで考えたほうがより優れたアイデアが浮かぶ。ウェブ時代の到来に伴って、「集団の英知」などということも盛んに語られるようになった。

ここ数年において、「戦略的企業文化」という理論を語るにあたり、「個」の力が発揮できる組織づくりの重要性を提唱しているのだが、私はここで、いわゆる「個人主義」や「個人プレー」を奨励しているわけではない。「戦略的企業文化」に基づく組織の中の「個」とは、あくまで、「同じ目的を共有する集団の中の『個』」である。

突出した文化をもつ米国企業を観察していると、いずれも「チーム」のコンセプトによる組織づくりに長けた企業が多いことに驚かされる。先に種明かしをしてしまうと、これは、?「共通の目的と価値観で統一された組織」をより強固なものにしつつ、?集団の中の「個」の裁量権をフル活用させることで「個」の力を最大限に発揮し、?個人の組織に対する帰属意識やエンゲージメントを高めるという仕組みのひとつである。戦略的企業文化のマネジメントにおいては、「チーム」の意義が新たに捉えなおされているといえる。


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