80年代から今なお、ロングセラーとなっている『Japanese homestyle cooking』(ベターホーム出版局)

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世界的にヘルシー志向が高まる中、日本の家庭料理を紹介するレシピ本が海外でも人気を集めていることをご存知だろうか。書店の外国人向けコーナーを見てみると、豆腐料理を極める専門書や、かわいいBento(弁当)づくりの本、栗原はるみさんや有本葉子さんといった人気料理家さんの本や、鳩山元首相の夫人・幸さんが著したお料理の本なども訳書が出ていてビックリ!その中でも、80年代から今なお、ロングセラーとなっている本があるという。それがこの、『Japanese homestyle cooking』(ベターホーム出版局)である。

手にとってみたところ、「海に囲まれ、四季折々の食材に恵まれた日本は、特徴的な食文化を持っている」という冒頭にはじまり、「だしをとる」という調理法についてや、乾物の戻し方、味噌、みりん、酒、しょうゆといった調味料についても丁寧な説明がされており、「そうか〜、日本ってそうなんだよね」と今さらながらしみじみ。
そういえば、外国人が日本の空港に降りた瞬間に感じるのは「しょうゆの匂い」だと聞いたことがあるけれど、私たちにはもはや馴染みすぎて意識できない「ニッポンのかほり」はこれらが元になっているのかも!?

紹介されているレシピは「すき焼き」「にぎり寿司」「天ぷら」「焼き鳥」といった外国人が好む定番のほか、表紙の「だし巻き(エッグロール)」の他、「すまし汁(クリアスープ、と訳されていた……)」、「おひたし」や「なます」「きんぴらごぼう」といった地味めのお総菜も充実。「茶碗蒸し」も「エッグカスタード」と訳されると、なにやらお菓子っぽくておいしそうな気がしてくるから不思議。最後のページになぜか、「お好み焼き」が紹介されているのも不思議でおもしろい。

版元のベターホーム出版局によると、大量に売れているわけではないが、日本食ブームもあって一定の人気がある本なのだとか。購入者には3つのパターンがあり、「海外からの旅行客」「日本から(ホームステイなどで)海外へ行く人がお土産にする」「日本在住の外国人」のいずれかが多いという。「日本独特の食材の説明も出ているのが助かる、とご好評をいただいております」とのことだった。

日本でも今、昔ながらの和食が見直されているけれど、1ページ目からおさらいしてみれば、英語の勉強にもなって一石二鳥かも?
「おひたしは、そのまんまOhitashi、なのか〜」などなど料理名の英訳を眺めているだけでも楽しい。寒い日が続くので、あなたも英語で「ワンポットディッシュ(鍋もの)」や「エッグカスタード(茶碗蒸し)」などつくってみてはいかがだろう?
(まめこ)