「こんな場所に着けるが、声はちゃんと相手に伝わる。それどころか、高感度になる。」

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10年以上前にテレアポのバイトをしていたのだが、かけ先にかなり怒られた経験がある。事務所が部屋中に響き渡るくらいにBON JOVIをかけてて、「どうでもいいけど、うるさいんだよね」とキレられるという体たらく。そのまま、ガチャンと切られてしまった。確かに、俺もうるさいと思っていたんだ……。
何でそんな事を思い出したかというと、ちょっと面白いアイテムを発見したから。株式会社エバーグリーンが昨年の12月27日より発売しているのは、その名も『のどマイク』である。

使い方があまりにもオンリーワンなのだが、それは画像をご覧いただければおわかりになるだろうか? いわゆる、ヘッドセットのタイプではない。これは、首周りに着ける“首かけ型”。首の側面に挟み、のどの振動をセンサー部分で検出して出力するマイクだそうだ。
こうすると、一体どのような効果を得られるのか? 同社に伺ってみた。
「大きな声で話さなくても、声が相手にきちんと伝わる部分が優れています。シチュエーションとしては、周囲の雑音を拾いにくいのでオフィスなどザワザワしている環境に向いています。通常のヘッドセットタイプのインカムだと拾ってしまう電話の着信音なども、『のどマイク』だと相手に聴こえにくいです」(同社・担当者)
通常のマイクは口から発生した声を空気の振動として拾うが、この“咽喉マイク”は先端のセンサー部分を喉元へ首輪のように密着させる事により、喉の振動を直接拾って音に変える。だからこそ、通常よりもノイズが少なくはっきりとした明瞭な音を発する事ができるのだ。

そして、このマイクが活躍するシチュエーションについて。上記の“ザワザワオフィス”だけではない。どちらかと言えば、以下のシチュエーションが個人的にはオススメだ。
「逆に、大きな音を敬遠すべき場所での使用にも適しています。夜中など大きな声を出せない時のスカイプなどの会話、オンラインゲームでのチャットの会話などで使用していただければと思います」(担当者)
自身の喉の最適な位置を見つければ、かなり有効に使えるマイクだという。逆に見つからないと、「アレ?」と手応えを感じなかったりする事も……。

まぁ、結局のところは“論より証拠”ではないだろうか。そこでマイクを取り寄せ、私も実際に試してみました! 今回のシチュエーションは、スカイプ。という事は、私の分と相手の分の2つの『のどマイク』を使用しての実験となったワケです。
「はい、こんにちは」(私)
「おぉー。聴こえる、聴こえる!」(相手)
「うわっ、本当だ!」(私)
この声の聴こえ方が凄い。相手の喉仏に耳をくっつけているかのように、声の低い部分が耳に響く。あまりに近く感じ過ぎて、逆に相手の言葉が不明瞭に伝わってくる事もあったが、首周りのセンサー部分の位置を調整してもらったり、こちらのイヤホンのボリュームレベルを下げれば、その辺りは解決。問題無しです。
そして驚きは、全く雑音が聴こえない事! 当日は、わざと相手宅でBON JOVIをガンガンかけてもらっていたのだが、本当にこちらにはそれらが伝わってこない。通常のマイクだと、テレビの音声が入ることさえあるのに……。言わば、必要な音だけが高感度な訳だ。“夏は涼しくて、冬暖かい”日本家屋のようなきめ細やかさ! 微妙な差なんだけど、かなりの感動でした。

そんな今までにない新感覚のマイクなのだが、これは元々海外の軍隊で使用されていたものを改良した商品。本格仕様の逸品で、反響も続々と寄せられているという。それらの中から抜粋したものを、以下にご紹介します。
「ヘッドセットで音の良いノイズの少ない感じの物が欲しかったのですが、これは本当に小さな声も拾って驚きました」
「咽喉マイクの特性上、音声がこもった感じになってしまうのは仕方ないですが、聴きやすく実際に使っても問題ないと思います」
メリット・デメリットはあるが、皆一様に長所を活かして有意義に活用しているようだな……。

そんな『のどマイク』は、同社の直営通販サイト「上海問屋」にて販売されている。価格は1,499円(税込み)。

夜中じゅう、オンラインゲームに勤しんでいる人。遅い時間になっても、スカイプが止められない人。決して反対はしないので、このマイクの存在だけは意識してあげてください。これを活用すると、コソコソ声でも相手に十二分に伝わるかもしれません。同居人の安眠を妨げないかもしれませんよ?
(寺西ジャジューカ)