体験レポート! プロ野球の自主トレに潜入成功!
「ムリ、これ以上ムリ! 」今年40歳を迎える私の太腿が悲鳴をあげる。なんでこんなことやってるんだろう。
ことのはじめりは巨人軍のグアム自主トレのコーディネーターとの会話中。
「自主トレってどういうことするんですか? 」と尋ねると「自分で体験してみるのが一番よくわかりますよ」と軽く返される。おっ、自主トレに参加できるの、ラッキー! と何も考えずにセッティングをお願いしてしまう。
話がトントン拍子に進み、いざ参加させてもらう日程が決まってからことの重大さに気づく。
「なんかとんでもないことになってないかい……」
当日、ビビリまくりながら巨人投手陣の自主トレチームに合流する。メンバーは驚くほど豪華。昨年最多勝の内海哲也投手(背番号26)、開幕投手の東野峻投手(17)、中継ぎのエース、山口鉄也投手(47)、昨年の新人王、沢村拓一投手(15)、将来を嘱望される2年目の小山雄輝投手(94)。スゴすぎるぞ。
場違いなところに紛れ込んでしまったいたたまれなさを隠してまずは球場まで約2.5kmの道のりをジョギング。灼熱のグアム、汗だくの筆者を尻目に選手は涼しい顔。
球場につくとストレッチをし、体をほぐしながらのランニングメニューへ。各メニューはトレーナーの指示のもと次から次へとテキパキと行われる。
ランニングが終わると皆一斉にスパイクに履き替える。とその時、球場に入ってくる人物の影が。宮本和知さんだ! 皆、慌ててスパイクを履き替え、宮本さんに向って走っていく。テレビのキャスターとして見かける気さくな雰囲気とは少し異なり、さわやかな笑顔の中にも大物OB感がにじみ出ていてなんかカッコいいぞ。どうやらテレビ番組の取材らしい。
それでもまずはトレーニング優先。挨拶を手短にすませ練習メニューに戻る。鉄のボールを使ったりしながら肩のまわりを入念にストレッチした後、遠投へ。
短い距離から始め、各自が自分のペースで徐々に距離を伸ばしていく。4、5分程度の力しか入れていないように見えるもののスーッと糸を引くようにキレイな回転で伸びていくボールが美しい。キャッチボールだけでもずっと見ていたい。
そしてキャッチボールが終わると冒頭で私が悲鳴をあげた問題のインターバルランが始まった。
まずは50mを全力でダッシュし、50mラインに到達したらそのまま休まずバック走(後向き走り)でスタート地点まで全力で戻る。スタート地点に着いたら今度は40m地点に向けて全力ダッシュ。40m地点からまたスタート地点に向けて全力でバック走。これを30m、20mと続けてワンセット。これがめちゃくちゃキツい。
1セット走り終わった地点ですでに腿がパンパンに張っている。何セットやるんですか? えー、8セットも! 後には引けず泣きだしたい気持ちになる。
選手でさえ1セット終わると苦しそうな表情をしている。それでも後半ほとんどジョギング状態になってしまっている筆者をよそに選手たちはさすがに最後まで全力疾走だ。
8本目をなんとか終わらせ安心していると、どこからともなく「あと2本」という声が聞こえてくる。絶望的な思いから相当情けない顔をしていたを見られたのだろうか、トレーナーからの「これ内海だけですから、やらなくていいですよ」と神の声が。どうやら内海投手が自主的にあと2本走ると言い出したよう。これがエースと選手会長の自覚か、すごい。
ほっと胸をなで下ろして内海投手をみていようと思うと、トレーナーの合図と同時に5選手全員が走り出した。チームリーダーが走るのに走らないわけにはいかないのか、それとも最多勝の内海投手が走るのに自分も走らないわけにはいかないと思ったのか、全員苦しそうな顔をしながらもダッシュする。いずれにせよ漢の世界だ、カッコいいぞ。
インターバルランが終わると選手はノックへ。それが終わると最後はまたトレーナーの指示のもと四股を踏んだり、股関節まわりの筋肉を鍛える各種スクワットを徹底的に行って終了。
時間にして2時間強。スポーツニュースの印象でビーチを軽くジョギングしたり、軽くキャッチボールをするだけかと思っていたけれども、実際は相当ハード。この陰のハードなトレーニングが私たちが普段目にする華やかなプレーを支えているわけだ。
これからは一緒にトレーニングなんて無謀なことを考えず、分相応にテレビの前で彼らの活躍を応援することにしよう。
内海投手を始め、選手の皆さんありがとうございました!
(鶴賀太郎)
ことのはじめりは巨人軍のグアム自主トレのコーディネーターとの会話中。
「自主トレってどういうことするんですか? 」と尋ねると「自分で体験してみるのが一番よくわかりますよ」と軽く返される。おっ、自主トレに参加できるの、ラッキー! と何も考えずにセッティングをお願いしてしまう。
「なんかとんでもないことになってないかい……」
当日、ビビリまくりながら巨人投手陣の自主トレチームに合流する。メンバーは驚くほど豪華。昨年最多勝の内海哲也投手(背番号26)、開幕投手の東野峻投手(17)、中継ぎのエース、山口鉄也投手(47)、昨年の新人王、沢村拓一投手(15)、将来を嘱望される2年目の小山雄輝投手(94)。スゴすぎるぞ。
場違いなところに紛れ込んでしまったいたたまれなさを隠してまずは球場まで約2.5kmの道のりをジョギング。灼熱のグアム、汗だくの筆者を尻目に選手は涼しい顔。
球場につくとストレッチをし、体をほぐしながらのランニングメニューへ。各メニューはトレーナーの指示のもと次から次へとテキパキと行われる。
ランニングが終わると皆一斉にスパイクに履き替える。とその時、球場に入ってくる人物の影が。宮本和知さんだ! 皆、慌ててスパイクを履き替え、宮本さんに向って走っていく。テレビのキャスターとして見かける気さくな雰囲気とは少し異なり、さわやかな笑顔の中にも大物OB感がにじみ出ていてなんかカッコいいぞ。どうやらテレビ番組の取材らしい。
それでもまずはトレーニング優先。挨拶を手短にすませ練習メニューに戻る。鉄のボールを使ったりしながら肩のまわりを入念にストレッチした後、遠投へ。
短い距離から始め、各自が自分のペースで徐々に距離を伸ばしていく。4、5分程度の力しか入れていないように見えるもののスーッと糸を引くようにキレイな回転で伸びていくボールが美しい。キャッチボールだけでもずっと見ていたい。
そしてキャッチボールが終わると冒頭で私が悲鳴をあげた問題のインターバルランが始まった。
まずは50mを全力でダッシュし、50mラインに到達したらそのまま休まずバック走(後向き走り)でスタート地点まで全力で戻る。スタート地点に着いたら今度は40m地点に向けて全力ダッシュ。40m地点からまたスタート地点に向けて全力でバック走。これを30m、20mと続けてワンセット。これがめちゃくちゃキツい。
1セット走り終わった地点ですでに腿がパンパンに張っている。何セットやるんですか? えー、8セットも! 後には引けず泣きだしたい気持ちになる。
選手でさえ1セット終わると苦しそうな表情をしている。それでも後半ほとんどジョギング状態になってしまっている筆者をよそに選手たちはさすがに最後まで全力疾走だ。
8本目をなんとか終わらせ安心していると、どこからともなく「あと2本」という声が聞こえてくる。絶望的な思いから相当情けない顔をしていたを見られたのだろうか、トレーナーからの「これ内海だけですから、やらなくていいですよ」と神の声が。どうやら内海投手が自主的にあと2本走ると言い出したよう。これがエースと選手会長の自覚か、すごい。
ほっと胸をなで下ろして内海投手をみていようと思うと、トレーナーの合図と同時に5選手全員が走り出した。チームリーダーが走るのに走らないわけにはいかないのか、それとも最多勝の内海投手が走るのに自分も走らないわけにはいかないと思ったのか、全員苦しそうな顔をしながらもダッシュする。いずれにせよ漢の世界だ、カッコいいぞ。
インターバルランが終わると選手はノックへ。それが終わると最後はまたトレーナーの指示のもと四股を踏んだり、股関節まわりの筋肉を鍛える各種スクワットを徹底的に行って終了。
時間にして2時間強。スポーツニュースの印象でビーチを軽くジョギングしたり、軽くキャッチボールをするだけかと思っていたけれども、実際は相当ハード。この陰のハードなトレーニングが私たちが普段目にする華やかなプレーを支えているわけだ。
これからは一緒にトレーニングなんて無謀なことを考えず、分相応にテレビの前で彼らの活躍を応援することにしよう。
内海投手を始め、選手の皆さんありがとうございました!
(鶴賀太郎)