12/10にオープンした屋根付き全天候型フットサルコート「アディダスフットサルパーク川崎」
(C) Image CG cottorit

写真拡大

フットサル大会に参加することで、アフリカの子どもに給食が届く――。そんなユニークな取り組みが今年1月から導入される。各地のフットサル施設でおこなわれている「FUTSAL FOR TWO(フットサル フォー ツー)」というプログラムだ。

日本発のNPO法人TABLE FOR TWO(テーブル フォー トゥー)internationalはアフリカの子どもに学校給食を届けるというプログラムを2007年から実施している。このTABLE FOR TWOの理念をそのままに、フットサルを通じた新たな社会貢献活動として生まれたのが「FUTSAL FOR TWO」だ。

直訳すると「二人の食卓」を意味する「TABLE FOR TWO」は、企業の社食、レストランなどで対象のヘルシーメニューを選ぶと、代金から20円が開発途上国の学校給食費用に寄付されるというプログラム。お金をそのまま寄付するのではなく、あえてヘルシーメニューを選ぶプロセスを入れているのは、開発途上国の飢餓と、先進国の肥満や生活習慣病の解消に同時に取り組んでいるため。飽食に悩む先進国の私たちがヘルシーな食事で健康になるのと同時に、飢餓で苦しむ子どもたちに給食をプレゼントできる一石二鳥の仕組みなのだ。ちなみに、20円というのは、開発途上国の給食1食分にあたる。

「FUTSAL FOR TWO」を導入するのは関東各地のフットサル施設主催イベントをサポートするヴァンクールスポーツ。同社の担当者いわく、
「3月の震災直後、娯楽などを控える動きから、フットサル施設でもイベントへの集客等に影響がありました。そうした状況のなか、各地でチャリティーイベントの実施が相次ぎましたが、どのイベントも参加者から寄付金を募る形式であったため、参加者に負担をかけていることに少し疑問を感じていました」
そこで、好きなフットサルを気持ちよくプレーしながら、かつ、参加者に負担にならない仕組みで社会貢献できないかと考え、TABLE FOR TWO Internationalと、「TABLE FOR TWO」の理念に賛同した学生で構成されるTABLE FOR TWO University Associationの協力のもと、プログラムの実施に至ったという。

フットサルは食事ではなくスポーツだが、カロリーを消費(=カロリーオフ)して健康になる、という点では、通常の食事をヘルシーメニューに変えてカロリーオフをする「TABLE FOR TWO」のコンセプトに通じるものがある。

「FUTSAL FOR TWO」の仕組みはシンプルだ。ヴァンクールスポーツが運営、またはサポートするすべてのフットサル大会において、1勝につき20円の寄付金が、開発途上国の子どもの学校給食になる。

大会規模によって試合数は違うものの、1大会あたり15試合とすると、1つの大会で最大15食の給食を届けることができる。一見、小さい数字のようだが、たとえば「アディダスフットサルパーク川崎」という1施設だけでも一カ月に10大会前後があるから、トータル100〜150食は届けられる計算。それに、ヴァンクールスポーツがサポートしている30施設をかければ、1ヶ月あたり何千食もの給食を、アフリカの子供たちに届けることができる。また、今後は勝利数に加え、1ゴール20円など、寄付できる金額を増やした「FUTSAL FOR TWOスペシャル大会」なども開催していく予定とのこと。

参加者としては、いつもどおりにフットサル大会に出るだけで、社会貢献の一端を担えるのがメリット。とくに意識することなく参加できるのもいいところだが、あえて大会を選ぶときの参考にしてみるのもよいのでは。
(古屋江美子)