moumoon(撮影:野原 誠治)
 昨夏、蒼井優が出演する資生堂『ANESSA』のCM曲に起用されたシングル「Sunshine Girl」が100万ダウンロードを記録したmoumoon。続く同年11月に発売したシングル「moonlight/スカイハイ/YAY」では、「moonlight」が『イオン・満月ロゼ』CM曲となりヴォーカル・YUKAがCM初出演。同じく「YAY」は人気ファション誌『CanCam』CM曲に起用されるなど、多くの人に知られる存在となった。本日3月2日には、セカンドアルバム「15 Doors」を発売。インディーズで発売したミニアルバム「Flowers」からの4年半、そしてファーストアルバム「moumoon」からの2年4ヶ月で彼らに生じた変化、そして今後について話を聞いた。

――「15 Doors」の制作に際して、事前にお二人で話し合われたことはありますか?

YUKA:ミニアルバムは慣れてるけど、フルアルバムはまだ2枚目なので「体力がいる作業になるぞ!」という話を最初にしながら、「このアルバムを聴いてもらうために、私達は今まできっかけになるような扉をいっぱい作ってきたよね」という話になって。「どうしたら、もっとたくさんの人に聴いてもらえるかな?」とか試行錯誤したし、色んな変化を遂げたし。そうやって自分達の過去の作品を並べて、やってきたことと、新曲に今とこれからを映し出して。moumoonのことを知っていてくれる人にも、まだ知らない人にも、色んな面を知ってもらいたいという気持ちで、「15個の扉があります。どの扉も開けて下さい!」というアルバムにしようと思いました。

KOUSUKE MASAKI(以降、MASAKI):今まで2年間ぐらいで作ったシングルも含めて入っているんですけど、更に新しい曲と、15個の扉を用意して。「Sunshine Girl」で入ってくれた人もいるし、もっと前の曲で入ってくれた人もいると思うんですけど、その人達に「こういうmoumoonもあるんだよ」って。15個の扉で、一つ一つ違う扉から入って来てくれてるけど、「この扉から、次はこの扉に」みたいに、次の好きな扉を開けて欲しいというテーマを二人で決めたんです。

YUKA:ひとつの場所があって、それは私達が行うライブ会場かもしれないし、みんなの日常の傍らにあるmoumoonというパラレルワールドかもしれないし、そういう場所に入ってきてくれるための扉が15個にあって。1個ずつ全方向から色んな人が入ってきて「次はこのドアから出て行こう」となった時に、何かもっと違う発見があるんじゃないかと。「もっと知って欲しい!」という気持ちが、すごくこもったアルバムです。

――選曲に漏れた曲もあったかと思いますが、15曲それぞれの色付けなど、選曲の際に意識されたことはありましたか?

YUKA:「どうしても入れたい!」という曲がいっぱいあったり、「でも、これを入れたらいいんじゃないか?」とか。ライブの曲順を考える時みたいに流れとか、ギリギリまですごく悩んだね。

MASAKI:特にシングルとか、今まで作った曲が入っている方が、新しく聴いてくれるお客さんには嬉しいかもしれないけど、新しい物も見せたいし、というバランスをすごく悩んだんです。曲順を含めて、色々な時期の曲が入っているので統一して、1曲目から聴いてもらって良い流れになるように。「ここにはこういう曲がすごく必要だね」って、作ってきた曲の中から選んで完成させたり。色々モチーフとして作っていたものは沢山あるんですけど、その中から今回のアルバムに合うものを選んだ感じですね。

YUKA:例えば、新曲10曲で短いアルバムを作ることも出来たんだけど、今までの曲の中で聴いて欲しい曲も沢山あるので。「青い月とアンビバレンスな愛」みたいな、すごく心の深い所を歌っている楽曲も入れたかったし、「ハレルヤ」みたいな世界観も見て欲しいと思ったし。比較的新しい楽曲たちは、前を向いて進むとか、すごく浮遊感があって飛べそうな、心が軽くなるような曲をと思って作ったものが多いです。