今日は、ネット上での「生中継」や「動画の長さ」について。USTREAMやTwitterでの生中継は、だれ向けに何のためにやるかによって有効性が変わってくるのではないでしょうか。

USTREAMやその他の技術を使って、ネットで動画による生中継をすることの敷居は非常に下がりました。今や、それこそiPhoneやAndroid端末が1台あれば、だれでもUSTREAMで生中継できます。また、Twitterでセミナー内容をリアルタイムにレポートすることも、しばしば行われています。

しかし、この「生中継」、ユーザーに喜んでもらえているのでしょうか?

生中継という情報提供スタイルは、「ファン」や「その情報を強く求めている人」を対象とする場合は、強力な価値を生み出すと思います。しかし、そういう人以外には、提供側が思っているほど刺さらないので、ターゲットがファンではない場合は生中継以外のスタイルを検討するべきだと感じています。

というのも、生中継は、「ダダ漏れ」とも呼ばれるように、情報が整理されていません。そのため、ライブ感や時間共有感が得られるという利点がある反面、「情報を得る」という目的に対しては非常に効率が悪くなるのです。

書籍や雑誌ならば、おもしろくなければ紙をペラペラとめくって飛ばすこともできます。Webサイトであっても、ページ全体を読まなくても見出しを中心にざっと文章の流れを確認できます。でも、生中継ではそうするわけにもいきませんから、ずっと眺めているしかできません。そもそも、ライブでなくても、動画はそうした「ざっと見て必要な情報だけを効率よく得る」ことがしづらいフォーマットです。

だから、「その情報をすごく知りたい」と求めている人以外には、流れをユーザーが制御できない生中継や、録画でも長尺の動画は、どちらかというと「見るのが苦痛」になる可能性があるので、避けるのが良いでしょう。


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