担当M(以下M):バーレーン戦で日本は2-0の勝利を収めました。

ラモス(以下R):ちょっと待って。安心できる内容じゃないでしょう? 相手は主力が何人もいませんでしたよ。それに2点目を取ったのは終了間際ですよ。チャンスはそう多く作ってなかったし。勝ったことで気を抜いちゃダメですよ。マスコミも勝ったからって何も言わないんじゃなくて、きちんと分析して問題点を洗い出すべきですよ。

M:ラモスさんはどこが問題だったと思いますか?

R:まずサイドが両方とも低かったと思いますね。もっとチャレンジしていってほしい。そしてサイドが高くないから、サイドチェンジのボールも出しにくい。中盤の視野も狭かったと思いますね。でもそのどれも原因は一つなんです。トップでボールをキープできなかったから。FWがタメを作ってくれれば、もっとサイドは上がりやすくなるし、MFの出て行く時間も稼げるてコースが作りやすくなる。岡崎慎司選手はすごく頑張っていたと思うけど、ボールをもらうときにサイドに流れるから、キープするにしてもエリアが決まってくる。もっと真ん中でタメられる組み合わせにしたほうがいいんじゃないですかね。チームとしては去年やっていたことができなくなっているから、これは焦るでしょう。

M:これは岡田監督と選手とどちらの問題ですか?

R:どちらもだと思いますよ。岡田監督はこういう状態を想定して、いろんなタイプの選手を集めておいたほうがよかった。同じような選手が多いとリズムが変わらない。もっと汗をかける選手を入れると変化が出るんです。その意味でも橋本英郎選手を呼んだほうがよかった。

M:ラモスさんが代表にいたときの森保一さんのような役割ですね。

R:橋本選手のほうがもうちょっとうまいかな(笑)。でも本当にそのとおりです。それから、選手たちは当然問題点に気付いていただろうから、自分たちで修正しなきゃ。実際にピッチでプレーしているのは選手ですよ。

M:それだけ未完成なのに、もうあと1試合、4月7日のセルビア戦の後はメンバー発表まで日本代表の試合がありません。

R:それはもう仕方ないから、あとはJリーグでどんどん活躍して、日本代表を活性化してほしいですね。田中達也選手、石川直宏選手にはケガから復帰してほしいし、小野伸二選手、本山雅志選手みたいな変化を起せる選手にも期待したい。ともかく、バーレーン戦で満足せずに、もっと上のレベルで考えないと苦戦は免れないですよ。