書店が35パーセントの返品手数料を負担するという35ブックの構想が発表された。この不況の中出版社の数は減り、出版点数は増える傾向があるようだ。

1997年に4600社ほどあった出版社がついに今年4000社を切り、新規創業する出版社も一桁になったそうだ。ガソリンの急激な値上げが昨年度あり、紙の値段はあがった後戻らなかった。かくして、書店への配本数が減り、種類が増え、値段が上がるという現象が起き、「自転車操業」ならぬ「オートバイ操業」に陥っていると指摘する人もいる。

月に3冊も担当すればよかったのが、気がつけば5冊となり、出版決定の決裁も以前より多くのハンコウをもらわなければいけないように。

そうした中、出版8社(筑摩書房、河出書房新社、平凡社、青弓社、中央公論新社、二玄社、早川書房、ポット出版)は通常22〜23%の書店利益を35%に拡大する一方、返品の際は書店に定価の35%の引き取り料金を求める35ブックスを開始すると発表した。

現在での対象は26タイトル47冊で復刊書籍が中心。価格帯は最低価格が1600円から1万500円までと高価格帯が多く配本は11月から。注文は筑摩書房が取りまとめるという。

■35ブックスとは?

出版流通の世界では「書店側は売れた場合のみ手数料」を払うこととなっており、こうした仕組みが書店に大量の書籍を並べることを可能としている。返品率は4割とも5割ともいわれるが、実際配本してもると、「もっと高い」ことの方が多い。こうした事情から「書店側にもメリットがあるようにするので、返品手数料を負担して欲しいというのが、今回の35ブックスの要旨である。

1600円の本が売れる→書店側に560円の利益
1600円の本が売れ残る→書店側が出版社に560円の手数料を払う(今までは無料)
→半分以上売れ残ると書店側の赤字となる(3カ月延勘*)


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