――今回のジャケット写真や、ブックレットで着ているような衣装は、自分が着たいものをリクエストされたりしたんですか?

YUKA:もう二人でものすごく話してて。それで固まったものをスタイリストさんと直にやり取りをして、「こういうものはどうかな?」って写メールで送ってもらったり、「これいいっすね」とか言いながら決めていったみたいな。撮影方法も、私たちはあんまりニコパチみたいな(笑)、柾くんも多分クールショット!みたいなのは苦手な方だから。逆に、コンセプトとして柾くんとYUKAが一緒に楽しそうにしているのを、第3者の友達がポラロイドで1枚ずつ、フォトセッションみたいな感じで撮っていったんですよ。だから、すごく楽しかったし、私が柾くんのネクタイを「ウヘヘ」とか言ってつかんで遊んでるのとか、「こうしてみて」とか言われたんじゃなくて、全部自然にリアルに遊んでる二人を撮って欲しかったという(笑)。

:つかまれた時、ちょっとイラッとした顔してたかも知れない。「オイ!」って(笑)。

YUKA:そうそう。「ん?コラッ!」という顔をしてるのが、いつも通りの自分達なので。すごい面白いなぁ、いい写真が撮れたなぁ、と思って。でも全部ポラなので、撮ってる方は何百枚も毎回ウィーンってやってたので、大変だっただろうなと思って。

――音楽以外にも、二人の共通点を感じる部分はありますか?

YUKA:すごくあります。今、自分でメルマガを配信していて。普通のメルマガだとつまんないから、moumoonが結成してデビューするまでを結構、実話に基づいて一つのストーリーとして小説を書いていて。こうやってインタビューして頂いて、改めて気付く共通点もたくさんあるし。8歳も違うのに、同じ年の時にアメリカに留学に行くことを決めてたり。生まれ育った環境も、小さな時からずっとクラシックをやってたり、お母さんが音楽教師だったというのも一緒だし。私は好きなアーティストはたくさんいるけど、それを聴いてても満足しきれなくて、「こうすればいいのに」とか勝手に思ってたんですけど(笑)。本当に初めて柾くんが作ったデモの音を聴いた時に、「こうすればいいのに」っていうのを全部やってくれる理想の人だってすごく思ったし。そういうのを改めて思うと、自分の高校時代の流れから、歌を始めて1年後に柾くんに会って、デモを溜めて翌年にデビューという流れとかを考えてくと「すごいなぁー」と思っていて。私がタメ口きいたりしてると、多分すっごくイラッとしてると思うんですけど。

:(笑)。

YUKA:多分、8歳年上のお兄さんじゃなかったら許されない行動とかを「コラー!」っていう感じに許してくれるのもありがたいし。生まれ育った環境も、ロックが好きなのも、共通点があるからなんだろうなと思ってて。

:性格は、ちょっと違うのかもしれないね。

YUKA:正反対ですね。柾くんはずっと低空飛行してて、それを私がゴォー!ってなって。

――YUKAさんは割と感情の起伏が激しい?

YUKA:そうです。上の方にいる時は、下の柾くんを見て「あ、ヤバイ、戻さなきゃ」と思ったり。

――恋愛以外にも、自分自身と向き合う曲も多いように感じたのですが、他者に対して魅力を感じる部分や、自分自身としてこういう人間でありたいというイメージはありますか?

YUKA:10代の時、どこにいても枠の中にあって、飛び越せない枠がいつでも周りにあるような、枠の中でもがいてたり、なかなか勇気がなくてその壁をぶち壊せなかったり、人間ってみんなそうだと思うんですけど。思春期の時のそういうモヤッとした感情が、ずっと今でも付きまとっていて。多分それが、歌ったり、歌詞を書いたり、絵を描いたり、色んなことをする原動力になっていて。アルバムにはそういうものがすごく出てると思うし、これからもきっとそうなんだろうなと思うし、変わるかも知れないけど。

:恋愛の話だと、個人的にこうありたいというのはすごくあると思うんですけど。音楽をやる上でこうありたいというのは、色々考えたりはするんですけど、すごくストイックに音楽を追求していくっていうか。結局、人の真似から入って何か始めて、「でも、自分はこうしたらもっとカッコイイと思う」っていう感じで作ってきたものから段々、最近自分の中で音楽に対する捉え方とか考え方がちょっとずつ変わってきて。前はすごくカッコイイと思って色んな音楽を聴いていたのが、まぁ俺がこんなことを言ってもおかしいんですけど(笑)、最近はどれを聴いても、自分の中ではあまり刺激にならなくて。最初それは悪いことなのかな?って思っていて、必死に色々な音楽を調べて聴かなきゃと思って探したり、iTunesやCD屋さんで聴いてみたりしてたんですけど、「これだ!」っていうものに当たらなくて。それで、やっている内に、商業的なこととは別に、自分の中でいいと思うものを少しずつやっていかないと、面白味が無くなっちゃうんだろうな、っていうのを感じてきて。それが、人が聴いていいと思うものかどうか分かんないですけどね。それが大成した時に「moumoonにしかできない音楽だな」って、人の真似には聴こえないものになってたらいいなって思うんですけど。それが何十年掛かるか分からないですけどね(笑)。