――シングル曲で言うと、個人的にも名曲だと思うのですが、昨年3月にリリースされた「桜日和」は、その後のシングルのカップリングでも、ピアノ弾き語りや押尾コータローさんとのコラボレーションとしても収録されていますが、特に思い入れの深い曲だったりしますか?

星村:そうですね。私は地元が島根県で、この曲は高校生の時、島根での実体験で。高校の時って今思い出しても、ちょっと笑みがこぼれるぐらい、すごく素敵な思い出がたくさん詰まっていて。何事にももの凄くパワーがみなぎっていて、夢に対しても、恋愛もそうだし、すごく自信過剰で何でもできると思っていたので。その時の気持ちを忘れたくないというか、ライブでも未だに季節関係なく歌っていますし(笑)、ずっと大事に歌っていきたい曲ですね。

――季節問わず、すごく綺麗なメロディだと思います。

星村:ありがとうございます。

――アルバムの曲順は、すんなりと決まりましたか?

星村:曲順も並び替えたり、色々と試した結果、この曲順に落ち着いた感じですね。

――ちょっと気になったのは、恋の始まりとか明るいイメージをもっていたので、最後12曲目の「そっと、さよなら」で終わるのが意外でした。ハッピーエンドじゃないんだなって。

星村:そうですよね。そこは、かなり色々な方々に突っ込まれました(笑)。敢えて、ちょっと哀愁漂う感じで終わっているんですけど。私としては、失恋をした直後のすごくドロドロした気持ちを歌った「regret」という曲(9曲目)があって、この最後の曲が、そこからちょっと時間が経ったことを書いているんですけど、若干前向きになっているというか。今、そっとだけど、さよならが言えている辺りが成長なんですけど。こうやって一歩一歩成長していくことの大事さだったり、この主人公もまたここからどう変わっていくかがすごく大事なので、それをみんなに感じて欲しかったのもあるし、自分自身に向けて歌っているのもあるし。

――別れの曲といえど、そこまで深くどーんと落ち込む印象でもなかったですけどね。

星村:はい、落ち込まないで下さい(笑)。

――ちょっと最後に意外性があったという。

星村:裏切った形になっちゃいまして、すいません(笑)。

――歌詞の主格が「僕」「君」の曲と、「私」「あなた」の曲とでは、何か意識して使い分ける基準みたいなのものはあるんですか?

星村:そこまですごくこだわってという感じよりは、恋愛の曲は女性として歌っていることが多くて。人生観とかは女性だけに限らず、もう性別とか取っ払った所で、みんなにというか、人間としてのメッセージ性の強い曲は「僕」を使ったりしていますね。その時々に感じたまま書いているので、例えば「わたし」と「あたし」の違いとか、曲ができた時に結構、直感で決めたりもしますね。

――先にメロディがあって、その後に歌詞を付ける形ですか?

星村:が多いですね。

――メロディと歌詞とでは、どちらが時間掛かりますか?

星村:歌詞です!ハッキリと(笑)。

――それも曲によって、早い時は早かったり?

星村:そうですね。「青空スケッチ」とかは散歩に行っていて、その想いが溢れ出るように「今、書かなきゃ!」とすごく思って、帰ってすぐノートに。メロディもこんな感じというのが結構、同時に出てきた曲でもあるんですね。

――歌詞は机に向かって「書こう」と思って書くのか、それとも、ふとした時に思い浮かぶことが多いですか?

星村:もうすっごく!その時によって違いますね。本当に寝る直前に思いつくこともかなりあるので。別に作ろうとは全然思っていないし、眠たいから寝たいのに(笑)、頭の中に音符が流れる時もあります。