■アーティスト写真や、ジャケット写真などビジュアルイメージはどのように決められているんですか?

将:結構、俺が出して、みんなで考えたり、広げていったり。もちろん、俺じゃない時もあります。

■音楽以外のものから、影響を受けることは多いですか?

将:俺は最初、ビジュアル系のシーンってすごく閉鎖的だなと思って。批判とかじゃないんですけど、お互いがお互いを見て、いいと思ったものをどんどん吸収し合っているから、どんどんミニマムな世界に閉じこもってしまっているな、という印象を受けたので。自分は4年ぐらい前に本格的にビジュアル系というものに関わるようになったので、それまでビジュアル系とは全然関係の無いシーンで、普通のファッションやアートだったり広い目線で自分が良いと思っていたものを、音楽もしっかりやって、それと同じくらい見た目やイメージに気を遣うバンドに投影できたらいいな、という風に思ってますね。

■ビジュアル系というシーンの中に対してもそうですけど、逆に外に対しても偏ったイメージで見られているなと感じる場面はありますか?

将:それはもちろん。元々、ずっとこういうバンドをやっていた訳ではなかったので、自分が外にいた時の感覚で見られているのかな?というのはありますね。なんでそんな派手派手しいんだ?とか、世の中には色んな価値観が氾濫しているので、色んなことを思う人もいると思うんですけど、見た目が派手だからといって、中身が無いから派手にごまかしているジャンルではなくて、音楽をしっかりやろうとしているからこそ、それに付随するイメージやビジュアルを追及できるシーンだと思うので。

Nao:別にうちらに限らず、派手な人ってたくさんいるんだよね。だけど、やっぱり先入観で避けられちゃう部分があるので、そういう所を一般的にも少しずつ変えることができたらいいなとは思っているんですけど。自分はビジュアル系というシーンでしかバンドをやったことがなくて、他のシーンの方に、「シーンを盛り上げなきゃいけないのに、ビジュアル系はビジュアル系同士の敵対心が強いので、もっと協力して盛り上げればいいのにね」みたいなことを言われたこともあったので。見え方とか見られ方も、色んな人に知ってもらいたくても、なかなか難しいのかな?という所もあるんですけど、みんなで協力してシーンを盛り上げて、もっと色んな人に聴いてもらえるように頑張っていきたいと思っています。

将:「どこどこのバンドのファン」というより、「このシーンが好きだから」というのが他のジャンルは結構強くあったりするから、そういう風に少しでもなっていったらいいかなと。

■ビジュアル系って、見た目でチャラチャラしたイメージを持つ人もいるかも知れませんが、自分が実際に見てきた中では、メチャクチャ練習熱心で、硬派な体育会系のノリが未だに根強くあると感じてますけどね。

将:体育会系のノリがすごくあるシーンではありますね。

Nao:今でこそ昔ほど、表向きは体育会系なノリとか結構、無くなっているような感じはしてるんですけど。自分達がこうして音楽をやれているのは、自分達より前の人達が頑張ってくれてたおかげなので、表向き見えなくても、上下関係というのはやっぱり無いと。自分達は敬っていきたいし、憧れから始めていると思うので。

■ビジュアル系って、どこからどこまでという万人に共通した境界線がある訳ではないですし、強くなった個性はジャンルの枠を越えると思うので。以前発表されたDVDシングルなど、アリス九號.は既成概念に捕われず、新しいことに挑戦するバンドだなと感じているのですが、今後はどのような活動をしていきたいと考えていますか?

将:そういう枠はどんどん壊していって、すごく偏見のあるシーンだと思うので、それも良い意味でどんどん壊していって。うちはお客さんとの繋がりを大事にしているバンドだと思うので、そういったスタンスで、今アリス九號.にしか出せない音を追及してやっていきたいですね。

Nao:音ももちろんなんですけど、音からアリス九號.というバンド、人物をもっと知ってもらいたい。何でもホイホイやる訳じゃないので、どういう形か分からないですけど、表現の仕方は色々あると思うので、DVDシングルみたいなショートドラマをやってみたりしている感じですね。

■将さん以外のメンバーが作る、新たなアリス九號.のメロディも今後増えていきそうですか?

将:それは是非!

アリス九號. - アーティスト情報

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