■結成は2004年8月ですが、その当時、アリス九號.としてどういう音楽をやっていこうと考えていましたか?

将:探しながらという感じで。結成当時はもう自分達がライブをする中で、お客さんの求めていることを感じて、それをフィードバックしていくという繰り返しで、がむしゃらにやってました。コンセプトとしては、日本人ということを大事にして音楽をやれたらいいなという漠然としたスタンスはあったんですけど、まだその頃は固まり切っていませんでしたね。

■その後、結成から2年半ほどが経ちましたが、何か変わってきたことはありますか?

将:お客さんが求めていることをやろうとする姿勢も、そういうフィードバックを曲にするというのもすごく大事なことですけど、今はもっと自分達発信で、俺達が出したい音や伝えたいことを大事にしたいという想いの方が強いので。コンセプトに捕われ過ぎず、より柔軟になったと思います。

■自分達以外に、周囲の状況が変化してきたとは感じていますか?

将:以前よりも関わって頂いてる人がすごく増えて、その人達の想いや、応援して支えて下さっている方々に対して、俺達ももっと自分達の音楽を突き詰めていって、プロフェッショナルとしてやっていかなきゃいけないなと感じていますね。

■作詞は将さんが担当されていますが、歌詞を書かれる際に、何かテーマはあるのでしょうか?

将:自分は常に、曲のイメージを聴く人へ伝えるために、歌詞によって分かりやすく感じてもらうというのがテーマです。自分がデモを聴いて、曲の中で見えた情景を表現するだけなので、あまり苦労しないですね。

■作曲はアリス九號.名義となっていますが、基となるメロディーはどのように?

将:「JEWELS」以外、メロディーは俺。今回の「WHITE PRAYER」は無いです。前作の「JEWELS」は、初めて沙我くんがメロディーを作ってくれて。何文字とか規制があるのも楽しかったんですけど、普段は「この言葉を絶対言いたい」というのに対してメロディを考えたりも出来るので。その辺、自由にやらせてもらっているので、メンバーにはすごく感謝しています。

■シングルは2曲+インストゥルメンタルだったり、最近は1曲だけというのも増えている中、アリス九號.はマキシシングル3曲で、しかも本当にどの曲がタイトル曲になってもおかしくないほど、クオリティが高い印象を受けているのですが、マキシシングルという形態にはこだわりがあるのですか?

将:色んな曲があるバンドなので、1〜2曲だけだと、初めて聴いた人が「あー、こういうバンドなんだ」で終わってしまうんじゃないか?って、そういう心配もあったり。入れられるなら3曲聴いてもらった方が、作り手としてはブレのない伝わり方が出来るんじゃないかという安心感がありますね。

Nao:アルバムまで待っていたりする人も増えてるみたいなので、それでもシングルを聴いて欲しいという気持ちも自分達にはあって。シングルを聴いてくれた人に、お得感じゃないですけど、他の曲も手に取って良かったと思ってもらいたいから、どれがリード曲になってもおかしくないというシングルは今までもありましたね。

■リリースもライブもサイクルが早い印象を受けているんですけど、現在リリースされている曲以外にも、どんどん新曲が溜まっている状況ですか?

将:いや、全く…(苦笑)。

■先程、歌詞はあまり苦労しないと言われてましたが、作曲は苦労しますか?

将:選曲会でみんなで曲を選んでから、ある程度コードとリズムとアレンジが決まっているデモを選んで、メロディーを含めてみんなで作り上げていくことが多いんですけど、基本的に曲先行ですね。

ヒロト:常にその都度のベストを尽くして、出し惜しみは一切してないから、ストックみたいなモノはあまり無い。

将:溜めておこう、という感じじゃないよね。

ヒロト:シングルのリード曲候補が何曲かあったら、選ばれなくてもその時に出しちゃうので、どれが来てもいい。

■ツアーのサイクルも早い印象を受けているんですけど、それはアリス九號.がライブありきのバンドだからですか?

将:そうですね。やっぱり、お客さんと俺達のキャッチボールがあって、初めてバンドって成立できると思いますし。でもそれ以前に、あまり多いとは感じてないんですけど。全然まだ足りない。夏とかこんなに少ないの?って感じがする。

■休みの期間が欲しいというよりは、常に曲を作って、ライブをしていたいという感覚ですか?

将:最近2〜3日、休みがあったんですけど、ツアーが終わった直後だったので、逆に不安になってしまった(笑)。休んでるんだったら、何かやった方がいいんじゃないか?と思いながら休んでました。

■音楽活動に対しては、あまり仕事という認識ではないですか?

虎:それがいいのかもしれないですけど、仕事という風に思ったことはないですね。俺の性格上なんですけど、仕事と思ったら手を抜いちゃう部分がありそう。楽して仕事したいと思っちゃいそうなので。自分の好きなことやっていれば、全力を出し尽くせるので。

■だから、休みが欲しいとは感じないんですね。

将:そう。普段から好きなことをやっているので、必要無い。