スペイン勢同士の対決となったUEFAカップ決勝は、PK戦の末セビージャがエスパニョールを打ち破り、1年ぶりに再びUEFAカップのトロフィーを掲げることになった。1986年のレアル・マドリー以来のUEFAカップ2連覇という快挙を成し遂げたセビージャ。そして、エスパニョールのPK3本を止め、大勝利に導いたベテランGK、アンドレス・パロップが文句なしに最優秀選手に輝いた。

「誰か一人がヒーローということではなく、みんながヒーローだ」。

 最も光り輝いていたパロップは、この偉業はメンバー全員で勝ちとったものであると強調し、「PK戦は懸けのようなもの。僕には運があった。僕のミッションはチームを助け、可能な限りベストをつくることだ」と喜びをかみしめた。

 パロップは、99/00シーズンから04/05シーズンまでバレンシアで過ごしたが、カニサレスの控えGKとして出場機会にも恵まれず、出場機会を求め、昨シーズンに意を決してセビージャへ移籍。32歳にしてようやく正GKの座を掴んだ苦労人でもある。安定した守備で最後方からチームを支え、セビージャの躍進に貢献している。

「このチームは限界がない、まだまだ伸びる」。そうコメントしたパロップの表情には喜びと自信で満ちあふれていた。

 リーガ、UEFAカップ、国王杯、3冠達成のチャンスのうち、まずUEFAカップを制し一つ目のタイトルを手に入れた。リーガも首位(レアル・マドリーとバルセロナ)とは2ポイント差と逆転優勝の可能性も十分にあり、6月23日に行われるヘタフェとの国王杯決勝も残っている。多くの試合をこなし疲労もあるが、それをも超える強いメンタリティが今のセビージャにはある。そして、苦労を実らせたベテラン、パロップがゴールを守る。

(スペイン通信)