マンチェスター・シティの新監督招聘が難航している。13日のトッテナム戦で敗戦を喫し、今シーズンのプレミアリーグを14位で終えたマンCは、成績不振を理由にスチュアート・ピアス監督の解任を発表。来シーズンに向け、大物監督の就任を目指していた。

 次期監督候補に名前が挙がっているのは、オランダのAZで監督を務めるルイス・ファン・ハールと、PSVのロナルド・クーマン監督。そして、フランスのリヨンで指揮を執るジェラール・ウリエ監督の3人。しかし、マンC監督就任については、それぞれ消極的な態度を見せている。

 ファン・ハール監督の去就については、AZの広報担当がコメントを発表。「ルイスは契約を更新したばかりであり、マンCに行くことはない。いずれイングランドで指揮を執ることに興味はあるようだが、このタイミングでAZを去ることはない」としている。

 一方、クーマン監督の代理人も、PSVでの続投を明言。「ロナルドはPSVとの契約を1年残しており、契約を全うするつもりだ」と語り、「ここ3週間の間にプレミアの2クラブから接触があったが、マンCとは交渉をしていない。また、接触があったとしても、監督を引き受けることはない」とマンC監督のポストに興味がないことを強調した。

 さらに、ウリエ監督の去就についても、リヨンが「ジェラールは来季もリヨンで指揮を執る。契約は2008年まで残っている」との声明を発表している。

 現在、タイ前首相のタクシン氏によるクラブ買収交渉が最終段階を迎えていると言われるマンCだが、監督人事は難航を極めている。事実上、ファン・ハール、クーマン、ウリエの3監督に“振られた”マンCは今後、チェルシーでも監督を務めたクラウディオ・ラニエリに候補を絞って交渉を進めると見られている。過渡期のクラブを牽引する指揮官の選定には慎重を期したいところだろう。