フランス代表のシルバン・ビルトールがリヨンを出るという噂が先週以来、フランスのメディアでしきりに伝えられている。5日のパリ・サンジェルマン(PSG)戦、9日のランス戦のメンバーから外れ、練習にも欠場しているビルトールについて、クラブは「ウイルス性胃腸炎が長引いている」と発表していた。

 しかし複数のメディアが、ビルトールはすでにクラブのロッカーを片付け、来シーズンはカタールでプレーする意向、と報じ、リヨンの首脳陣にも動揺が走った。4月末には、ビルトールのPSG入りも伝えられていた。

 リヨンのオラス会長は「まだ1年契約が残っている」と移籍を否定したうえで、「選手に規律を厳守する姿勢が欠けている」と噂の流布に不快感を示した。クラブからビルトールに書留が送られ、事情説明を求める会談が14日に予定されていることも明らかになった。

 一方、ビルトールはル・プログレ紙に「自分について書かれていることは迷惑千万。敬意が欠けている」と話し、先週水曜日(9日)以来、自分が「悪童、さもなければ悪魔か性格異常者にされている」と苛立ちをあらわにした。

 「人々が僕の何を非難しているのかわからない。僕には私生活がある。人生を楽しみたいし、仕事はちゃんとしている」と報道の過熱に反発するビルトール。「ロッカーを片付けた」との報には、「中身を空っぽにしたわけじゃないよ。もう入りきらないほどいっぱいだったから整理したんだ」と苦笑する。カタール行きについても、「“サッカー選手のいない国”には行かない。自分は少なくともあと1年は100%リヨンの選手。その後は、まだリヨンでやることが残っているかも知れないし、よそでいいチャレンジが待っているかも知れない。それはそのときにわかることだ」と移籍の噂を否定した。