予想外の大敗で1998年ぶりのスペイン国王杯優勝の夢も潰えたバルセロナ。0−4でヘタフェに大敗を喫したことはライカールト監督の続投問題にまで飛び火しており、バルサが来シーズンに向けライカールト監督の後任としてヘタフェのシュスター監督に注目しているという噂まで上がり始めている。

 レアル・マドリー、アトレティコ・マドリー、バレンシアといったスペインのクラブが注目しているシュスター監督。この夏はシュスター監督招聘を巡る争奪戦が行われると見られているが、ヘタフェの関係者によると、「ヘタフェの役員の半数はシュスターがアトレティコ・マドリーに行くと思っているようだ。しかし、バルセロナからオファーが届いたら、おろらく合意に達するだろう。彼にとって最もうれしいオファーだろうからね」とのこと。つまりバルサとシュスター監督は相思相愛関係にあるということだ。

 しかし、バルサ側は「一部で報じられているバルサが来シーズンの監督としてベルント・シュスターに注目しているという話は存在しない。クラブは、2009年6月30日までの契約を交わしているフランク・ライカールトを最大限サポートしていくし、チームを率いるのに相応しい監督だと認識している」と声明。即刻この噂を否定している。リーガに集中するべき大事な時に余計な騒ぎを起こしたくないといったところだろう。

 国内2冠の夢も絶たれ、バルサに残されたタイトルはリーガのみ。だが、リーガ優勝すらも逃すとなるとライカールト監督の続投も揺らぎ始めるのは無理もない。ライカールト監督自身も「バルサを辞めることは考えていないが、それは私次第という問題ではない」と微妙な立場にあることを理解していることも示唆。リーガも残り5節となったところで再び巻き起こったライカールト監督の続投問題だが、まずは13日のカンプ・ノウでのベティス戦に勝ち、国王杯の悪夢を払拭することだ。そして一試合一試合に集中し、結果を残していくしかない。

(スペイン通信)