フランス杯の決勝戦が12日にスタッド・ド・フランスで行なわれた。リーグ・アン在籍59シーズン目という最多記録をもつソショーと1月にリーグ・アン2000試合の記録を達成したマルセイユという古豪同士の対決。ソショーはちょうど70年前の1937年にフランス杯を制して以来、4度決勝で敗れている。一方のマルセイユは2年連続の決勝進出。昨年はパリ・サンジェルマンに敗れた。前回の優勝は1989年にさかのぼる。

 リーグ戦では4連勝で2位に浮上し調子の波に乗っているマルセイユに対し、2連勝で5位に再浮上したソショー。残り2試合で来季のチャンピオンズリーグ(CL)出場権を争う両チームにとって、勢いを失わないためにも大事な一戦となった。下馬評では、ナスリ、リベリの中盤を起点とし、ニアン、シセで得点をあげるパターンで圧倒的な攻撃力を誇るマルセイユが有利と見られていた。

 試合は開始早々(前半5分)にナスリの左からのセンタリングをシセが頭で合わせ、マルセイユが先制。その後は一進一退の攻防が続いたが、後半22分、ソショーがダガノのゴールで同点に追いつく。そのまま延長に突入すると、やや押され気味だったマルセイユが、交代したばかりのマウリダのセンタリングに合わせたシセの2点目のヘディングで再びリード。しかしソショーも残り5分を切ったところで粘りを見せ、ル・タレックが執念の同点ゴール。この試合4本目のヘディングによる得点となった。

 121分に及ぶ攻防で決着がつかずPK戦となったが、ソショーのGKリシェールがマルセイユ6人目のキッカー、ジュバールのシュートを止め、チームに70年ぶりの栄冠をもたらした。マルセイユにとっては、PKに強いFWパジスを試合終了直前に投入しようとして間に合わなかったのが響いた。

 フランス杯は、4日後に元首の座を退くシラク大統領からブレシェ主将に手渡された。ソショーはこれで少なくとも来季のUEFA杯出場権は手に入れた。マルセイユは、フランス杯決勝で2年連続の涙をのんだものの、リーグ戦の残り2試合を1勝1引き分けで終えれば、来季のCL出場権を手中にすることができる。