トッテナムのマルティン・ヨル監督は、マンチェスター・ユナイテッドが補強候補に挙げるFWディミタール・ベルバトフの残留に自信を見せた。

 昨夏、ドイツのレバークーゼンからトッテナムに加入し、いきなりシーズン22ゴールを記録しているベルバトフ。プレミアのスタイルに難なく適応し、PFA(イングランド・プロ選手協会)が選ぶベスト・イレブンにも選ばれたブルガリア代表FWは、プレミアのトップクラブから注目を集めており、マンUのアレックス・ファーガソン監督も来シーズンに向けた補強候補の一人として、すでに名前を挙げているという。

 しかし、7日のチャールトン戦後にベルバトフと直接話したという指揮官のヨルは、チーム得点王を放出するつもりは毛頭ないと語っている。

「ベルバトフはトッテナムでプレーすることに満足している。サポーターたちも彼を後押ししているしね。彼自身も、『これ以上望むことはない』と言っていた。私は、選手が満足してくれていることが一番嬉しいんだ。彼は我々に素晴らしいクオリティを与えてくれている。最高の補強だったと言っていいね」

 さらに、チームメイトのMFジャーメイン・ジェナスもベルバトフの残留をクラブに嘆願。発展途上にあるトッテナムにおいて、ベルバトフの得点能力は欠かせないという。

「ベルバトフには何としても残って欲しい。僕らは今、チームを作り上げている段階だ。そして、チームとして成長を続けるにはディミタールが必要なんだ。それはクラブも分かっていると思う。今シーズンの彼の活躍は、クラブにとって欠かせないものだった。彼は素晴らしい技術を持っているだけじゃなく、DFが予想も出来ないプレーをするんだ。だからこそ特別な選手なんだよ」

 優秀な若手選手を多く抱えながら、マンU、チェルシー、リバプール、アーセナルといったビッグクラブの後塵を拝し続けるトッテナム。来シーズンこそ4強の牙城を崩してチャンピオンズ・リーグ出場権を獲得するためにも、今オフのトッテナムは、移籍初年度からブレークしたベルバトフの残留に全精力を傾ける。