昨季リーグ・アン3位で今季のチャンピオンズリーグ(CL)に出場し、決勝トーナメント1回戦のホームでマンチェスター・ユナイテッドを相手に互角以上の戦いをしたリール。しかしアウェーでマンUに完敗し、ベスト8進出の夢が破れて力尽きたのか、その後はリーグ戦でも1勝6敗1引き分けとまったく振るわず、3位からずるずると10位にまで後退している。残り3試合で、3シーズン連続のCL出場はほぼ絶望的となった。

 1月末の時点では10勝4敗8引き分けで2位。その原動力のひとりが24歳、190センチの大型MF、マチュー・ボドメールだった。第17節までに8得点、初代表入りも囁かれるほどの活躍を見せたが、その後はケガをきっかけに調子を崩し、ゴールをあげていない。

 今季の後半戦3度目の3連敗を喫した6日のサンテチエンヌ戦の後、ボドメールはレキップ紙に「チームは不調から脱する解決策を探してはいるが、どうしてもうまくいかない。うまくいかない小さな要因はたくさんある。一部の選手はすでに今後のことを考えはじめている。ピッチで全力を出しているのはもちろんだが、無意識のうちに雑念が影響している」と分析した。

 自分自身も来季のことを考えていることを認めた。クラブからの契約延長のオファーを断り、「4年間ではじめて真剣に移籍のことを考えている」という。パリ・サンジェルマンとリヨンがボドメール獲得に動いていると報じられているが、本人の口から「CLに出ているイングランドのクラブから代理人に接触があった」ことが明かされた。

 CLで活躍したリーグ・アンの選手が対戦相手のビッグクラブから引き抜かれるのはこれまでにもよくある例。ひょっとすると来季のボドメールは、同じ赤でももっと世界的に有名なユニフォームを着けることになるかも知れない。