斉藤被告を乗せたと思われる車が東京地裁のある合同庁舎に入っていった/筆者撮影

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 2024年7月、ロケバスの車内で女性に性的暴行を加えたとして、不同意性交などの罪に問われている、お笑いトリオ「ジャングルポケット」の元メンバーの斉藤慎二被告(43)に対する第2回公判が、今年3月17日に東京地裁(伊藤ゆう子裁判長)で開かれた。
 今回の裁判では、被害者とその母親が事件について証言をした。実際に裁判を傍聴した筆者が、注目の証人尋問で明らかになった内容を詳報する。

◆法廷には水色の遮蔽…異様な空気感で第2回公判がスタート

 筆者が法廷に入ると、法廷の中央の証言台を囲むように水色の遮蔽が設置されていた。

 この裁判では、被害者のAさん(20代)の氏名など、個人を特定できる事項に秘匿決定がされている。そのため、証言をするAさんの関係者を傍聴席から見えなくするための措置であろう。

 開廷直前、法廷の横のドアから現れた斉藤被告は初公判と変わらず、黒色のスーツに紺色ネクタイ姿。弁護側の席に座ると、両肩を上下に動かしたり深呼吸をするなど緊張しているような様子だった。特に、証言席を囲む遮蔽板にやや驚いた表情をしたことが印象的だった。

 第2回公判では、斉藤被告の有罪立証をするために検察側が請求した、証人2名の尋問が行われた。今回の裁判で証言をしたのは、被害者のAさん(20代)とその母親。まずは、母親から証人尋問が行われた。

◆母親に送られたLINEが示す“切迫した状況”

 遮蔽板の奥にある証言台の椅子に座る音がすると、その中から女性の声がした。Aさんの母親だ。事件当時、Aさんは母親と同居しており、事件を知る最も身近な人物である。まず、事件当日の朝、外出前のAさんの様子についてこう振り返る。

「テレビの撮影に行くということで、緊張とわくわくしているような、そういう感じに見受けられました」

 期待を胸に現場へ向かったAさんは、撮影中に使用されたロケバスの車内で、斉藤被告から計3回の性的行為を受けたとされている。Aさんが外出したのち、仕事中のはずのAさんから、こんなLINEのメッセージがあったと母親は話す。

「娘の方から『ジャンポケ斉藤 めっちゃ気持ち悪いんだけど』『チューしようとしてきた』という内容のLINEがきました」

 そんなAさんからのメッセージに驚きつつも、母親は「『サイテー』『そんなことばっかりしてるんだろうね』」と返信。さらに母親は、「娘のために」と斉藤被告を痛烈に批判する内容を送信していた。

「私は『たいして面白くないのにね』とLINEしました」

 このLINEのやり取りは、Aさんが斉藤被告から1回目の被害を受けたときのこと。その後も2回にわたって性被害を受けたとされる。

◆帰宅直後に母親が見た“娘の異変”

「撮影がはじまったのかな」

 Aさんと母親とのメッセージのやり取りがなくなってから、数時間が経った。撮影後、Aさんは母親が待つ家に帰宅してきた。

 Aさんは帰宅するとすぐに、母親がいるリビングに向かった。そして部屋に入るなり、ロケバスの車内であった事件を打ち明けてきたという。母親は驚きながらも、「えっ、あの人に?」と斉藤被告なのか尋ねると、Aさんは「うん」と答えたと回顧する。さらに母親は、Aさんにこのように聞いた。

「抵抗したんでしょ?」

 これに対して、Aさんは「当たり前じゃないの」と答えたという。性被害を打ち明けてきた当時のAさんの様子について検察側に問われると、母親は声を震わせながら、一言一言ゆっくりと証言する。

「子どもが地団駄を踏んで『嫌だ嫌だ』という振る舞いをすることがあると思うんですけど、そのような感じで、やるせない気持ちをあらわしていました」

 つづけて、当時のAさんの表情について「半分泣いて、悔しさ、つらさと入り混じったような顔をしていました」と振り返ると、母親は数秒沈黙した後、小声で発言した。