今冬の移籍市場でレアル・マドリーからACミラン移籍を果たしたロナウド(30)株が急上昇している。カペッロ監督との確執からレアル・マドリーで飼い殺し状態の続いたロナウド獲得にあたり、「既に終わった選手」との意見が各地で囁かれていた。“終わったロナウド”を取り巻く環境が一変したのは17日のセリエA第24節対シエナ戦。イタリア復帰第2戦目となったこの試合でロナウドは2得点1アシスト、MVPに輝く大活躍で4−3勝利に貢献した。コンディション面で不安視された先発デビュー。周囲の心配をよそに華々しく飾った怪物の復活劇を、辛辣な現地メディアも大絶賛するしかなかった。

ACミランでのデビュー戦となった11日のリボルノ戦で着た“ファースト・ユニフォーム”はクラブ公式サイト上で競売(イスラエル北部の町ナザレに設立予定の“小児病院プロジェクト”の資金貯蓄目的)にかけられ、17505ユーロ(約280万円)で落札。落札者はミラノにあるACミラン御用達レストラン“ジャンニーノ”のオーナー(DFカラーゼと共同経営)であることも判明している。ACミラン公式サイトへのアクセス数も激増している。平均アクセス数は100万から400万に。同サイト上で展開している“ロナウドへのメッシージ募集”への反応も凄まじく、2日間で3502通のメッセージが届いており、約40%が国外からとのこと。ユニフォームを担当するアディダス社はレプリカ・ユニフォームの売り上げを「前年同月比30%アップ」と発表、ロナウド加入による経済効果をアピールした。

メディア露出も別格だ。コリエレ・デッロ・スポルト紙は、冬季移籍市場最終日の1月31日付から2月23日付までで、有力スポーツ紙の1面「ロナウド見出し」掲載回数を調査。結果はガゼッタ・デッロ・スポルト=14回、コリエレ・デッロ・スポルト=11回、トゥット・スポルト=3回。わずか1ヵ月で最も注目される選手に返り咲いたロナウド。ロナウド効果はまだ始まったばかりだ。

佐藤 貴洋