ライバルをねじ伏せたクロワデュノール(撮影・園田高夫)

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 「東スポ杯2歳S・G2」(16日、東京)

 新馬戦の好タイムVはダテではなかった。1番人気に支持されたクロワデュノールが好位追走から逃げ馬を競り落とし、無傷2連勝で初タイトルを手にした。「(出来が)100点満点じゃないと思っていたなか、強い競馬で勝ち切ってくれた。一生懸命に走ってくれた馬に感謝です」と北村友の笑顔がはじけた。

 5カ月半ぶりの実戦だったとはいえ、馬体重は24キロの大幅増。鞍上が「体重が増えていた部分もあって、返し馬ではハミを頼るような走り」と評したように、決して本調子ではなかった。それでも3角から早めに踏んでいくと、最後はきっちり前をとらえてフィニッシュ。「きょう乗っていても、この馬のポテンシャルは感じた。次はもう少し体も楽になって操縦性も良くなるだろうし、先々も頑張ってくれると思います」と素材の良さに太鼓判を押した。

 成長を促すため夏場は休養に充てたが、「いざ10月に入厩したら(厩舎サイドから)春より動きが悪いと言われて…」とサンデーレーシングの吉田俊介代表は苦笑いを浮かべる。「でも、今回は久しぶりの競馬だったので。ここを使ってどれだけ変わってくれるか」と今後の飛躍を見据えた。

 同じ勝負服を身にまとい、19年秋華賞や20年有馬記念を制したクロノジェネシスと同じ北村友×斉藤崇厩舎のタッグ。次走は未定ながらも、出世レースを制したキタサンブラック産駒の未来は明るく広がっている。