絵文字で通信する「令和のポケベル」。見知らぬ人と繋がらない安心設計
そこまで削る?ってくらいミニマルなのが良い!
スマホって便利な半面、「これでいいのかな?」と思うことも増えてきました。やめなきゃと思いながら画面に張り付いてしまう中毒性、SNSを介したトラブルや犯罪など危険も多く、とくに子どもに大人と同じスマホを使わせるのは心配になります。
そこでセガが「令和のポケベル」と銘打ったデバイス、emojamを発表しました。emojamはWi-Fi経由で友だちにメッセージを送れるんだけど、使える文字は絵文字のみ、送れる相手はリアルでemojam同士をくっつけた友だちのみというシンプルさです。
絵文字だけで会話
ポケベルで送れる文字は、初期は数字のみで、普及後もカタカナや英数字、一部の記号のみでした。一方emojamでは、普通の文字が送れない代わりに、1,400種類のオリジナル絵文字が送れます。またポケベルはメッセージ受信専用だったので、受け取ったメッセージに返信するときは固定電話や公衆電話を使ってたんですが、emojamはWi-Fi経由で送受信ができます。
emojamで送れるのはemojam独自の絵文字のみで、今スマホなどで使えるUnicodeの絵文字とは別ものです。Unicodeには現在3,000種類以上の絵文字があるので、emojamに登録された1,100種類の絵文字の中には表現したい感情や物事がないかもしれません。
そこでemojamでは、既存の絵文字を組み合わせて新たな絵文字を作ることができ、こちらは最大300種類登録できます。また、ハローキティやすみっコぐらしといったキャラクターの絵文字も別途ダウンロードカードを購入して追加できます。
初期のポケベルは数字しか使えなかったので、「0840」が「おはよー」とか「02」が「待つ」みたいな暗号が使われてました。emojamも同じように、たとえばふたつの顔の間に矢印があって、ハートが付いてるから「好き」ってことなんだな、みたいな解読の楽しさがあります。
キッズ向けの安心設計、大人もほしい
emojamはセガのキッズ向けライン「LinkLink」のひとつで、デザイン的にも小学生の女の子をメインターゲットにしてることがわかります。Wi-Fiにつながるといっても、ネット上で見知らぬ人とつながったりしないように、友だち登録は本体を物理的にくっつけることでしかできないから安心です。
ここ数年大人向け商品でも、あえてガラケーに戻ろうという静かな動きがありますよね。バービーのパカパカ携帯もそうだし、Nokiaの復刻版なども、あえてネットやアプリを使えないようにすることで、ユーザーはスマホの負の部分から距離を置くことができます。
emojamは7,150円で、12月10日発売。こんな風にシンプルな機能に絞りきったコミュニケーションデバイス、大人用にももっとあってもいいような気がします。