珠海市の「爆歩団」

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2024年11月13日、香港メディア・香港01は、広東省珠海市のスポーツセンターで発生した車の暴走事故に巻き込まれ死亡した市民の多くが「暴走団」(“走”は中国語で「歩く」の意味)と呼ばれるウォーキングチームの中高年者だったと報じた。

同市にあるスポーツセンター付近で11日夜に自動車1台が暴走して次々と市民をはね、35人が死亡して43人が負傷した。容疑者は62歳の男で、当局は「離婚後の財産分与をめぐる不満で事件を起こした」と発表した。

記事によると、普段から夕食後にスポーツセンターで散歩しており、事故当時も現場に居合わせた市民は「午後7時半ごろ、散歩を終えてセンターを出ようとしたら、突然大きな音がした。車が人の列に突っ込んでいて、隊列を組んで並んでいた年配の人たちが地面に倒れた」と語った。また、センター前の広場では毎日「暴走団」と呼ばれるウォーキングチームが6〜7つほど活動を行っており、メンバーが主に定年退職した高齢者であること、隊列を組んで音楽に合わせて行進していることを明かした。

記事は、事故発生時もセンター前の広場では各「暴走団」が大きな音楽を流してウォーキングを行っており、車が進入、暴走する音や衝撃音、周囲の人の悲鳴や逃げるよう促す叫び声などがすぐに聞こえず、多くの団員が逃げ遅れた可能性があるとした。

そして、大音量の音楽を流しながら数十人が隊列を組んで行進する「暴走団」について、地元ではしばしば交通ルールを無視していることが問題視されており、中国のネットユーザーからは「広場ダンス」に続き「最も迷惑な健康増進法」と称されていたことを併せて紹介した。(編集・翻訳/川尻)