中国最深の地熱科学探査井が完工 海南省海口市

「福深熱1井」の作業現場。(海口=新華社配信)

 【新華社海口11月13日】中国石油大手、中国石油化工集団(中国石化、シノペックグループ)はこのほど、国内初の深度5千メートルを超える深層地熱科学探査井「福深熱1井」が完工し、開発利用の新たな段階に入ったことを明らかにした。これは中国華南地域での深層地熱資源探査における画期的な成果であり、中国南部地域の高温地熱発電、冷却、総合利用に適した技術ルートの形成をさらに探求する上で重要な意義を持つ。

 福深熱1井は海南省海口市に位置し、国家重点研究開発計画プロジェクト「深層地熱資源の探査と評価のための基幹技術研究」の関連事業であり、地域の深層地熱形成と濃縮メカニズムを解明し、深層高温地熱資源の潜在力を探査し、探査と評価のための基幹技術を検証することを目的としている。

 同井は今年4月、深度5200メートルの掘削を完了、中国地熱科学探査井の最深記録を更新した。研究者は地下約4600メートルと約5100メートルにある2億5千万年前の花こう岩層で、摂氏188度を超える高温地熱資源を発見した。今年5月、「深層地熱資源の探査と評価のための基幹技術研究」は専門家チームの検証に合格した。その後、中国石化石油勘探開発研究院は系列内外の複数の部門・機関を率いて、福深熱1井に水圧破砕(フラクチャリング)を実施した。その結果、各データ指標は良好で、岩石の破砕、水の注入、熱の抽出に成功し、深層地熱資源の探査、開発、利用技術の全てを検証し、研究任務を成功裏に完了した。(記者/王存福)