大河ドラマ『光る君へ』の場面カット(C)NHK

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 俳優の吉高由里子が主演を務める、大河ドラマ『光る君へ』(毎週日曜 後8:00 NHK総合ほか)。キーマンのききょう(清少納言)役として、物語の中で独特な存在感を発揮したファーストサマーウイカ。このほどランクアップを迎え、初挑戦となった大河ドラマを走りきった心境を語った。

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 主人公・紫式部/まひろは、千年の時を超えるベストセラー『源氏物語』を書きあげた女性。「光源氏」の恋愛ストーリーの原動力は秘めた情熱と想像力、そしてひとりの男性への想い。その男性の名は藤原道長。変わりゆく世を自らの才能と努力で生き抜いた女性の愛の物語だ。脚本は大石静氏が務める。

 ウイカが演じるききょう(清少納言)は、歌人・清原元輔の娘。才気煥発。一条天皇に入内した定子のもとに女房として出仕し、心からの忠誠を尽くす。「枕草子」は紫式部や道長にも影響を与えることに…という役どころだ。

 クランクアップの心境を問われ「あっという間でした」と語ったウイカは「撮影が濃密な月もあれば、月に一回の時もあったりして…。台本をいただくのが毎回楽しみで、一年の早さが今までの人生の中で最速に感じましたね。一回、一回の重みがあり、常に緊張感のある。一方でワクワクするような一年でした」としみじみと回想した。

 「ききょうという荷を下ろさずに生き続ける一年間でした。常に頭の片隅に(『光る君へ』が)あった。大河のことが頭をよぎらない瞬間がなかった」。その思いを忘れないために「髪型はずっと姫カットにしていた」ほどの熱の入れようだったという。

 劇中では一条天皇からの寵愛を受けるも、悲運に見舞われた中宮定子を敬愛し続け、主人公のまひろとは時の流れの中で友人からライバルへと揺れ動く関係性を表現。物語の鍵を握る重要人物を演じきり「今回の撮影で得た経験は一生の財産になりました。ききょうという役に出会っていなかったらと思うと恐ろしいし、『光る君へ』に出ていなかった俳優人生は本当に考えられない」と語る。

 クランクアップの際にもスタッフたちを前に「今後、私が本を書くようなことがあれば、エッセイを書くことがあれば、『光る君へ』のことは必ず書くだろうし、人生の走馬灯を見るときにも必ず出てくるだろうなと思います」とあいさつをしたというウイカ。「どこかに“ききょう”というタトゥーが入ったくらい心に刻み込まれました」とうれしそうに話していた姿が印象的だった。