森田剛「愛してくれるから」 有名演出家への思い吐露「自分しかいないんだって思える場所に出会えた」
俳優の森田剛(45)が10日放送のフジテレビ「ボクらの時代」(日曜前7・00)に出演。2016年に亡くなった有名演出家・蜷川幸雄さん(享年80)への思いを明かした。
この日、映画「雨の中の慾情」(29日公開)で共演した俳優の竹中直人、成田凌と出演。同作はほぼ全編台湾ロケで撮影されたもので、3人も約1カ月、台湾に滞在して撮影を行ったという。2人とは今作が初共演だった。
現場での過ごし方について、竹中から「剛は落ち着いてる感じだよね」と指摘を受けた森田は「いや〜ビビってますね。(スタッフ、共演者、監督、関係者)すべてです。慣れるまで凄く時間かかるし、怖いですね」と明かした。
竹中も「怖いよね、嫌だよね、ベテランにされて、“はい、OK”となっちゃったら。なんかあるでしょ、“剛違う、その芝居。もう1回やって”って人いる?」と聞くと、森田は「舞台はありますよね、まだ。だから好きっていうのはある」と話した。
竹中が「蜷川さんって怖かった?」と聞くと、「俺は怒られなかったタイプだと思います」と森田。「なんか怖いし、でも愛してくれるから、それに応えたいというか、そこに行きたい、っていう。なかなかそういう経験はきっとできないと思うんですよね。怒ってくれたり、“こうしろや!”って言ってくれる人は…いなくなるとそういう寂しさはありますよね」とした。
さらに「蜷川さんもそうだし、舞台の演出家さんには…自分が小さい時は頑張りたいと思っても、どう頑張っていいか分からない。舞台で、単純に大きい声を出すとか、とにかく走るとか、そんなんでも自分は頑張っているんだ、って思えて、信じてくれて、代わりがいない、自分しかいないんだって思える場所に出会えたから、そこが救いだったし、それは忘れられないですね」とも話した。
この言葉に竹中は「結局、この監督を愛するしかない、自分が演じるってことは。役作りって見てる側が役を作るので、役者は監督を愛することはできないと思う。そういうのが役を支えていくという感じが自分にあるから、役は後からついてくる感じだから。いろいろな現場で監督見てみたいっていうのがどうしてもあるかもしれないね。共演者もそうだけど」と共感。森田は「キツくて、“早く終わってくれ!”って思うんですけど、また話をいただいたらやりたくなっちゃうんですよね」。
竹中も「ほぼ同じ感覚です。魅力あるからこそ、これからも続けていくんでしょうね」としつつ、「飽きたって感じじゃない?」とも質問。森田は「俺、飽き性です」と笑いつつ、「(役者は)いろいろな人に会えるし、飽きようがないですよね」と話していた。