町田、約2カ月ぶり勝利で奇跡の逆転優勝に望みつなぐ 覚悟のシステム変更ハマり、FC東京に3−0完勝 黒田監督「これぞ町田の魂」
「明治安田J1、町田3−0FC東京」(9日、国立競技場)
3位の町田はシステム変更がハマり、7位FC東京に完勝。9月14日の福岡戦以来、約2カ月ぶりの勝利で首位神戸との差を4に縮め、奇跡の逆転優勝に望みをつないだ。
直近5戦未勝利と苦しい戦いが続いていた町田は、今季残り3試合の状況で覚悟のシステム変更を敢行。これまで4−4−2の形が基本だったが、この日はセンターバックにDF昌子、DFチャン・ミンギュ、DFドレシェヴィッチ3人を並べ左ウイングバックにMF林、右にDF望月を配置した。3−5−2と攻撃的な形を用い、守備時は5バックで守りを固めた。
この変更がはまり、両サイドからの攻撃に厚みが増し、セカンドボールを拾える回数が増加。前半から相手陣で押し込む時間が続くと15分、GK谷のロングフィードからセカンドボールを拾ったFWエリキがゴール前に運んでためをつくり、駆け込んできたMF白崎にラストパスを送って先制点を演出した。
その後も町田ペースで試合が進み、後半4分にはMF相馬のクロスに白崎がゴールラインギリギリで折り返すと、FWオ・セフンが冷静に押し込んで追加点。78分には相馬が左CKを直接決めて試合を決定づけた。守備陣も5試合ぶりのクリーンシートで完勝だった。
今季ここまで1分2敗だった国立競技場で初勝利。逆に国立で4戦全勝だったFC東京に初めて黒星をつけた。首位の神戸が残り3試合で1勝でもすれば、優勝の可能性は消滅するが、町田にとっては残り2戦へ弾みのつく勝利となった。
試合後、黒田監督は「ここまでの5試合なかなか勝ち点3という結果をもたらすことができず、監督としてもかなりの不安を抱えていましたし、選手たちも正解というものが分かっていても見失いながら足踏み状態が続いていたと思います。ゲームを通じて本当に果敢にプレーしてくれる選手が目に焼き付いていますし、やっぱりこれぞ町田の魂なんだということを彼らが身をもって表現してくれた」とイレブンをたたえた。