ゼレンスキー氏、トランプ氏の早期戦争終結計画「承知せず」

写真拡大

Yuliia Dysa

[キーウ 7日 ロイター] - ウクライナのゼレンスキー大統領は7日、ウクライナとロシアの戦争を迅速に終わらせるというトランプ次期米大統領の計画について、詳しく承知していないと述べた。また急速な早期の停戦はウクライナが大幅な譲歩を迫られる結果になるとくぎを刺した。

ハンガリー首都ブダペストで開催された欧州政治共同体(EPC)首脳会議に参加して記者会見に臨んだゼレンスキー氏は、トランプ氏が戦争を素早く終わらせたがっているとの見方を示しつつ、その計画は話し合っていないと説明。「単に早期というだけなら、それはウクライナにさまざまなマイナスをもたらす。私はどうすれば逆の(プラス)方向にできるかまだ理解していないし、何か存在するのだろうが目にしていない」と語った。

ゼレンスキー氏は各国首脳の中でもいち早くトランプ氏に大統領選勝利の祝意を表明し、6日の電話会談は「素晴らしい」内容だったと発言した。

一方で「われわれは公正な形での戦争終結を臨む。早急な終戦は(ウクライナの)敗北を意味すると確信する」と主張。ウクライナに安全保障が提供されないような戦争終結案に厳しい言葉で反対した。

ウクライナは、ロシアによるさらに大規模な侵攻を予防するにはそうした安全保障が不可欠だとしている。

また、ゼレンスキー氏は今回のEPC首脳会議で議長を努めたハンガリーのオルバン首相がまず停戦してから具体的協議に入る道筋を提示していることを念頭に「例えばウクライナの北大西洋条約機構(NATO)加盟に反対している指導者が停戦を提案している。これは無意味で整合性がない」と批判した。