指原莉乃さん

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 「推し活」を楽しんでいますか? 近年、社会現象といっても過言ではないでしょう。中には、推し活を生きる活力にしている人は多いのではないでしょうか。

 とはいえ、推し活に熱中しすぎたり、行きすぎてしまうと、ふとしたときに「私、このままでいいの?」って思ったり、大金を使いすぎて“自滅の危険”があるのも事実です。

 しかし、好きを極めると思いも寄らなかった扉が開けることもあります。また、推しの背中を追うことでこれまでよりもすてきな自分になれた人もいるはずです。オタクや憧れの人を追いかけて、自身もスターになった芸能界の人や、「好き」が高じて活動の場を広げている人たちを紹介したいと思います。

“推しの存在”は人生の糧になることも

 推し活の種類や内容によっては、高額のグッズやチケット代、移動費、宿泊費などに出費がかさみ、過度な推し活で生活が立ち行かなくなった人のエピソードなどがインターネットメディアなどで取り上げられたりしています。

 ダークサイドが懸念される推し活ですが、推し活には日々の生活の活力になるなどのよい面もあります。推しを生きがいとし、仕事や勉強に励む人は多いと思います。「推しの笑顔を見たら元気が出て、明日を笑顔で生きられる」という人や、「来月、ライブだからそれまで頑張ろう」と自身を鼓舞している人もいます。

 高齢者の中には推し活で若返ったという人も多いようです。推しから元気をもらえるだけでなく、ライブやイベントなどは外出のきっかけにもなります。

「憧れ」が“私”を動かす 自身を高めるきっかけにも

 憧れの存在がいる人の中には「あの美しい女優さんは、毎朝、白湯を飲んでいるのね。私もそうしてみよう」「あの俳優は若手スタッフにも優しいみたい。僕も後輩に優しくしよう」など、その人のルーティンや行動などをまねたことがある人もいると思います。まねをしてもその人にはなれませんが、これまでの自分よりもワンランクアップした自分になれることはあります。

 また、アイドルの中には芸能界に憧れの人がいて、「その人のようになりたい」という思いから芸能界の扉を叩いた人が多くいます。「AKB48」グループの元メンバーの指原莉乃さんと柏木由紀さんは、「モーニング娘。」らを擁する「ハロー!プロジェクト」の大ファンだったということは有名な話です。いじめをきっかけに不登校になったという指原さんは、ハロプロの掲示板に常駐していたといいます。高校生の時に、自身も憧れのアイドルの背中を追うかのように、アイドルの道へ。アイドル時代は、個性やトーク力を発揮して芸能界での自らのポジションを確立しました。

 柏木さんはAKB48歴代最長である17年にわたってグループで活動していました。柏木さんは、ファンから「神対応」で評判が高いことで有名でした。それも自身がアイドルオタクであるため、オタクの心情を把握していたからこそできたのかもしれません。

 また、宝塚歌劇団のジェンヌたちの中にも、憧れの人の背中を追い、自身もスターになった人がいます。望海風斗さんは、子どもの頃から天海祐希さんに憧れていて、入団前は「天海さんのようにいつか真ん中に立つトップスターになりたい」という夢を抱いていたといいます。下積み時代に悩んだ時期もあるようですが、さまざまな壁を乗り越え、雪組のトップスターとしてステージの中央に立ち続けました。

好きこそものの上手なれ…“好きを深める”が成功のコツ

 何かをうまく成し遂げるには才能や努力も大切ですが、それ以上に“そのものが好きであること”が成功のカギになると思います。自分の好きなものをとことん追求し、その分野で名を馳せた人や、自身の新しいキャリアを開拓した人もいます。

 さかなクンは魚類学者としての知識や唯一無二のキャラクターが評価されてさまざまな番組に出演しています。彼は小学生の頃にタコに魅了され、魚をはじめ海の生きものに対する愛情を広げました。魚にはそれぞれ個性や特徴があり、その姿に魅了されたそうです。魚一筋で生きてきた彼は、現在は東京海洋大学名誉博士・客員教授の肩書を持ち、各省庁と連携して魚にまつわる仕事をしています。

 また、漫画好きが功を奏した芸能人も多くいます。2018年、鈴木砂羽さんは漫画好きが高じて「ボンちゃんがいく☆ 女優・鈴木砂羽のマンガ愛がはじけるコミックエッセイ」(集英社)を出版しました。また、「King&Prince」の高橋海人さんは2019年に少女漫画家としてデビューしています。彼は姉の影響で少女漫画にはまっていたそう。同年4月発売の「ベツコミ5月号」(小学館)に、描き下ろした「僕のスーパーラブストーリー! 〜王子と男子は紙一重!?〜」が掲載されました。

 そのほかにも、「好き」が高じて活躍の場を広げた芸能人や著名人は多く存在します。推し活は、自身のライフスタイルやモチベーションを高めることに用いれば、生活の新たな扉を開く可能性があるものです。危険性もしっかりと理解しながら、楽しむようにしましょうね。