「あの国と揉めそう」豆を発酵させて味噌や醤油を作る韓国の“ジャン造り文化”、ユネスコ無形文化遺産登録へ

写真拡大 (全2枚)

豆を発酵させてテンジャン(味噌)やカンジャン(醤油)を作る韓国の「ジャン(醤)造り文化」が無形文化遺産に登録される可能性が高まった。

【注目】韓国の「無形遺産」101件、中国が管理していた

11月5日、ユネスコは無形文化遺産保護条約政府間委員会傘下の評価機関が「韓国のジャン造り文化」(Knowledge, beliefs and practices related to jang making in the Republic of Korea)を審査し、登録するよう勧告したと発表した。

評価機関は、登録申請書が提出された遺産を審査し、その結果を「登録」(inscribe)、「情報補完」(登録保留・refer)、「登録不可」(not to inscribe)などに分類する。登録勧告の判定を受けて登録されないケースはまれだ。

評価機関は、韓国のジャン造り文化について「ご飯やキムチとともに韓国の食文化の核心である」とし、「家庭ごとに(味や方法が)異なり、各家族の歴史と伝統が込められている」と評価したという。

最終的な決定は、12月2〜7日にパラグアイの首都アスンシオンで開かれる第19回無形遺産委員会での検討を経て下される。

もし「ジャン造り文化」が登録されれば、韓国の23番目の無形文化遺産となる。

(写真=photoAC)

韓国政府は2018年に「ジャン造り文化」を国家無形遺産として指定し、2022年に入ってユネスコに人類無形文化遺産の登録を申請した。そこから2年越しの悲願が達成されるか、注目が集まっている。

興味深いのは、韓国のオンライン上で「どうせ中国がこれも自分たちのものとケチをつける」「どうせ中国が起源を主張するだろう」といった声が少なくないことだ。

というのも、韓国が無形遺産としている101件を中国も自国の無形遺産としているからだ。

国会文化体育観光委員会に所属するパク・スヒョン議員が10月4日に国家遺産庁から受け取った「中国が自国文化遺産として指定した韓国遺産の現況」という資料によると、「朝鮮族関連」という名目で、中国の「国家級」無形遺産で20件、「省級」遺産で81件の韓国遺産が指定管理されているという。

中国では、「アリラン」は吉林省・延辺朝鮮族自治州の伝統音楽、「パンソリ」は遼寧省・鉄嶺市と吉林省・延辺朝鮮族自治州の曲芸、キムチの製造方法は吉林省・延吉市の伝統技芸として指定されている。

これに対応して韓国は、「アリラン」や「農楽」「パンソリ」「シルム」「キムジャン」の5件をユネスコの無形文化遺産に登録した。しかし「ヘグム」「ノルティギ・クネティギ」「伝統婚礼」など7件は、中国の遺産としてのみ指定されているのが現実だ。

今回、ユネスコの無形文化遺産に登録される可能性が高い「ジャン造り文化」が、両国において新たな議論の火種にならないかにも関心が集まる。

(文=サーチコリアニュース編集部O)