フリーマン WS史上初のサヨナラ満弾「とてもクール」
「ワールドシリーズ、ドジャース6−3ヤンキース」(25日、ロサンゼルス)
ドジャースがフレディ・フリーマン内野手(35)の逆転満塁本塁打でヤンキースにサヨナラ勝ちした。フリーマンは7月下旬に三男・マックス君がギラン・バレー症候群を発症したため「家族緊急リスト」入り。自身も8月に右手中指を亀裂骨折、9月には右足首を捻挫した。苦難を乗り越えた男がワールドシリーズ史上初となるサヨナラ満弾で白星発進に導いた。
黒木のバットを夜空に突き上げ、雄たけびを上げた。右足首捻挫の痛みを抱えながらプレーを続けるフリーマンが劇的サヨナラ弾。コルテスの初球を右翼席へ突き刺し、「ワールドシリーズでの2死満塁の場面は5歳の頃に2人の兄と家の裏庭で遊びの野球をしている時に夢を見るようなものだ」と感慨に浸った。
打席に立つ直前、ベッツが申告敬遠で歩かされた。「シーズンを通してずっと見てきた。相手は翔平を歩かせてムーキー(ベッツ)と勝負し、ムーキーを歩かせて僕と勝負した。(投手有利と言われる)左対左であっても、どれも難しいマッチアップになる。それが僕らのラインアップの利点だ」。MVPトリオで構成するメジャー屈指の上位打線に自信を見せた。
ダイヤモンドを一周した感覚は「何も感じなかった。ふわふわ浮いているような感じだった」。ホームへ生還した後、真っ先にネット裏から応援してくれていた父の元へ。サヨナラ満塁弾はワールドシリーズ史上初だと伝え聞くと「えっ、本当に?」と驚き「とてもクール。すごいことだね。この数カ月はいろいろあって大変だったけど、マックス(7月にギラン・バレー症候群発症)はとても良くなっているし、足首はただの捻挫だからもう大丈夫」とうなずいた。メジャー通算343発。輝かしい実績を誇る35歳が世界一へ導く。