ヒーローインタビューを終え、ファンの声援に笑顔で応える有原(撮影・穴井友梨)

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 ◆SMBC日本シリーズ2024 第1戦 DeNA3―5ソフトバンク(26日、横浜)

 エースの「独り舞台」だった。先発の有原航平が7回無失点に加え、先制で決勝の2点打をマーク。4年ぶりの日本一に向けた戦いで白星スタートを引き寄せた。お立ち台に立った右腕は「とにかく勝てるように全力でいった。今日はいい日になった」とはにかんだ。

 まずは打撃からだ。2回2死満塁。前打者の甲斐拓也が申告敬遠となり、急ぎ足で向かった打席だった。ジャクソンの153キロ直球を流し打つと、打球は一、二塁間を抜けた。先制の走者を含む2人が生還。通算19打席のレギュラーシーズンで打点のない右腕は「まさか打てるとは思っていなかった。こういう試合で打てたのは記憶に残る」と振り返った。

 マウンドでは今季14勝で最多勝を獲得したエースらしい安定感を発揮した。低めへ丁寧に集める投球で、課題の立ち上がりを切り抜けると、7回までゼロを並べた。「走者を出しても粘り強く投げることができた」と納得の表情。小久保監督も「有原に尽きると思います」と投打両面で輝きを放った右腕をたたえた。

 試合前、選手たちの前で訓示した小久保監督は勝利を飾った試合後「とりあえずあと三つ勝ちます」ときっぱり。敵地でまず1勝をつかみ、日本シリーズでの連勝を「13」に伸ばした。「三つ負けられるのが日本シリーズ。気にせず一戦、一戦やっていきます」。リーグ覇者に一切の油断はない。(鬼塚淳乃介)