2024年夏、全国各地で米不足に

大分市のスーパー

日本の食卓には欠かせない存在の米。しかし、2024年夏、全国各地で米不足に悩まされる人が続出しました。
スーパーの棚からは軒並み米がなくなり「令和の米騒動」とも言われるほどの社会問題に。

ただ新米がおいしい季節を迎えたいま、スーパーの店頭の米はどうなっているのか?
果たして米不足は解消へと向かうのか?「令和の米騒動」について最新情報をお伝えします。

「米不足」の背景に猛暑円安・買いだめなどが要因

米(イメージ)

そもそも、この「米不足」はなぜ引き起こされたのか?主な要因には次のようなことが挙げられています。

まず、2023年からの猛暑の影響で、お米が不作だったことが1つです。

十分な収穫量が確保できなかったことが2024年の米不足に繋がっているんです。

他にも、円安の影響で多くの外国人観光客が来たことも要因と言われています。

そして、災害も影響しています。8月に南海トラフの臨時情報が出たり台風10号の発生などもあって備蓄のために買いだめをする人が増えたということなんです。

米不足を乗り切るためにこういった対策を取ったという消費者も。

●米を炊くときに比較的手に入りやすいもち米を足してかさを増す「かさ増しレシピ」を活用
●カリフラワーを細かく刻んでお米の代わりにしたり、オート―ミールを使う「代用レシピ」を活用

待ちに待った新米が並ぶも、販売価格は上昇

大分市のスーパー

この夏、米不足に悩まされたという方も多かったんじゃないでしょうか。

ようやく新米も出てきて米不足も解消されるのか。さらに気になる販売価格など、スーパーや農家はいま、どのような状況なのでしょうか。
大分市内のスーパーです。米の棚を見せてもらうと…新米のシールが張られたものなど多くの米が並んでいました。

こちらのスーパー、2024年の9月まで
は、「1家族1袋まで」という購入制限を設けていましたが、その時期と比べると米不足は解消へと向かっています。

◆コープ南春日・新名教史 店長
「先月ぐらいまではかなり米不足が続いている状況で多くの組合員さんにご利用いただくのがなかなか難しい状況だったんですけど、今月に入ってから新米の種類も増えだして、皆さんお買い求めになるときにお米がある状態が続いている状況」

ただ、消費者にとってもう1つ気になるのは米の販売価格。こちらのスーパーでは2023年の同じ時期と比べると5キロ入りの袋が1000円ほど値上がりしたというものも。

農家は「やっと生産コストに見合った金額に」

国東市の農家・伊賀修さん

◆国東市の農家・伊賀修さん
「急に価格が上がったので消費者、戸惑っていると思うんですよ。でも実際、農家からしたらことし値段が上がって、やっと生産コストに見合った金額になったかなと」

そう話すのは、国東市で米やサツマイモを生産している伊賀修さん。肥料や燃料などの生産コスト上昇による苦しい状況が続く中、米の販売価格が上がることは農家にとっては収入の増加につながります。

◆伊賀修さん
「しっかりお米を作っていきたいと思うので、ぜひ皆さんには購入をよろしくお願いしたいと思います」

◆JA全農おおいた・馬場健太さん
「引き続き私たち、消費者も含めて産地(生産者)を支えていければ」

大分市のスーパー

米の値上がりによってなかなか簡単に手を出しにくいという消費者の方もいらっしゃるかもしれません。

こうした状況を改善しようとコープ南春日の新名店長は「スーパーの曜日別のサービスや組合員特典を生かしてお買い得に買える環境を整えていきたい」と話しています。